FCバルセロナ来日中止騒動 渦中の「問題プロモーター」に“金銭トラブルまみれ”の過去 「口座は空っぽだった」
資本金は10万円
ヤスダグループはホームページで「これまでにないスポーツ産業をデザイン」すると謳い、業務内容にアスリートのエージェント業務や選手育成のアカデミー業務などを挙げるが、抽象的で今一つよくわからない。
そこでソシエダのホームページを参照すると、こんな説明書きがあった。
〈このグループは、安田財閥によって20世紀に設立され、1世紀以上にわたり、日本に影響を与え、社会的にも高い評価を受けています〉
ところが、ヤスダグループの登記簿を見ると事実は全く異なる。資本金はわずか10万円。設立は令和5年9月7日。1世紀どころか、ソシエダとの契約時点(2023年10月6日)で、生まれてまだ1カ月の会社だったのだ。
ヤスダグループをよく知る関係者が明かす。
「代表の安田慶祐氏は41歳の若さにして、化粧品の輸入販売を行うA社(仮名)とフラダンスのイベントを手がけるB社(同)の二つを率いてきました。しかしこの2社は複数の金銭トラブルを抱えているため、ヤスダグループを新たに立ち上げ、サッカー関連の事業に参入したとみられます」
数々の金銭トラブル
実際、2年ほど前に安田氏の下で働いた男性は、次のように金銭被害を訴える。
「A社で3カ月勤務する契約を結んだのですが、1.5カ月分の報酬にあたる委託料約100万円が支払われていません。A社を提訴し、勝訴してもなお支払われず、安田氏個人にも訴訟を起こし、今年8月に勝訴しました。口座差し押さえの手続きをしているのですが、口座は空っぽでした」
裁判沙汰は他にも。
「2022年5月、B社主催のフラダンスイベントが開催されましたが、イベントに3千万円ほど出資した男性がB社を提訴しています。約束していた支払いがないそうです」(前出・関係者)
彼らが安田氏を信じたのも無理からぬワケがあった。
「彼は港区の高級マンションに住み、高級車ベントレーに乗っている。しかも自己紹介する際、安田財閥の創始者・安田善次郎の末裔(まつえい)だと名乗る。出資した男性はわざわざ家系図まで見せられたといいます」(同)
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