【中学受験・夏のメソッド】「夏休みのデメリットは“学校がない”こと」 子どもの“才能タイプ”と“限界”を見極める「勝負の夏」の家庭内戦略とは

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子どもの“限界”と“タイプ”を知る

 どこが子どもの“限界”なのか、見極める目も保護者には必要だ。

「6年生の夏は問題を解くスピードや精度を上げて、より実践的な得点力を上げることが求められます。勉強が上手くいっていない場合には理想を追い求め過ぎずに早めに受験校を絞り込んで過去問に取り組み始めることが肝要です」

 成績が伸び悩むとさらに勉強量を増やして解決したくなるが、そんな時こそ子どもの“タイプ”と向き合うことが大切だと小川氏は指摘する。

 小川氏は学びと行動の傾向ごとに子どもたちを90タイプに分けて診断し、より良い子育てノウハウを広める活動を行っている。子どもたちは才能タイプごとにそれぞれ得意な勉強の進め方が異なるのだとか。

「一口に子どもといっても、目から入ってくる情報に敏感でビジュアルで全体像をつかんでから物事を理解するのが得意な〈視覚タイプ〉や、音や言葉に敏感で順序を立てて話を聴き論理的に整理するのが得意な〈聴覚タイプ〉など様々なタイプの子がいます。〈視覚タイプ〉には図表などで説明してあげる、〈聴覚タイプ〉には先に勉強の手順を示してあげるなどの接し方が必要ですが、子どもがどんなタイプかは親子の密接なコミュニケーションの中で初めて気が付けるものです」

 子どもの頃の学びの傾向は親になっても変わらないというが、それゆえに親子のすれ違いに繋がることもある。

「中には〈視覚タイプ〉の親が〈聴覚タイプ〉の子どもに、自分が分かりやすいからとビジュアルを押し出した参考書を解かせるということがあります。タイプの異なる子どもに自分の勉強のやり方を押し付けている形ですね。しかしこれで勉強を分からせようというのは無理な話です。親子の軋轢を避けるためにも、子どものタイプを見極める際には保護者自身のタイプが何なのか理解することも大切なのです」

 長く苦しい中学受験を乗り切るには親子の協力が不可欠なのだ。

デイリー新潮編集部

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