女子アナにとって管理職昇進は「ご褒美」ではない? フジ・佐々木恭子アナの昇進に見る、「花形」職業の「夢の終わり」
7月10日付の人事で、「編成総局編成局アナウンス室部長」から「コーポレート本部アナウンス局次長」に昇進することが明らかになった、フジテレビの佐々木恭子アナ。果たして管理職昇進は女子アナにとって「ご褒美」といえるのか――ライターの冨士海ネコ氏が分析する。
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「女子アナ=憧れの職業」という構図が揺らいでいる。だがそれは、夢がかなった先の次の夢が見えにくいからかもしれない。
一部の女性アナウンサーは、30歳を前にフリー転身や寿退社を選び、局を去る。いわゆる「女子アナ30歳定年説」だ。そうした早期退職の背景として、まさにフジテレビに代表されるような、「女は若い方がいいし喜ばれる」という意識が根強く業界にはびこっていることが指摘されている。また一方で、出産・育児との両立やタレント転身志向、そしてSNS時代の自己ブランディングの加速といった要因が語られてきた。
だが、もう一つの見過ごされがちな理由があるのかもしれない――それは、「女子アナとしては『一流』でも、管理職としての資質は自分に無い」と感じ取ってしまった人々が、自ら降りたというケースだ。
6日に放送されたコンプライアンス問題に関する検証番組において、フジのベテラン女子アナであり、当時のアナウンス室部長だった佐々木恭子アナが矢面に立たされている。中居正広氏によるコンプライアンス違反によって退社した女子アナの上司だった立場から、初動ミスを認め、「(対応が)足りなかったよねって、申し訳ないと思いましたね」と語った。
佐々木アナといえば東大出の才女で、「とくダネ!」や「ワイドナショー」などの人気番組に出演してきた花形アナ。といってもアイドル的な扱いではなく、フジの中では珍しい、落ち着いた優等生キャラとして重宝されてきた。そうしたイメージが管理職にも向いているという判断につながったのかもしれない。もちろん、今回のフジ騒動における責任の大部分が彼女にあると考えるのは適切でなく、フジの社内風土こそが追及されるべきだろう。しかしながら、検証番組を見ると、優秀な女子アナであることと管理職の適性は合致しない、との感想も持ってしまうのだ。
佐々木アナはこの夏、局次長に昇進することが報じられたが、それは一連の騒動で過度におとしめられた彼女の「名誉回復」措置ではという声も聞かれる。
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