タイパ世代の若者はなぜ「数学は割に合わない」と考えるのか…マジメな会議より、ムダ話から「斬新な企画」が生まれる理由
「緊張感のある会議」からは生まれないアイディア
私はある時、大学の研究室で教授とお菓子を食べながら団らんしていたら、いつの間にかゼミで実施する企業訪問や合宿など、充実した課外活動を構想できたことがあります。もちろん、それらは全て実現して、学生も大満足してくれました。レストランでパスタを食べながら、初対面にしては多様な雑談をして盛り上がった人が、今では私の秘書として立派に活躍してくれています。そして、本書の出版企画も、出版社の方とカフェで何気なく業界の話をしていたところから、私が思い切って発案して始まり、今日までたどり着きました。
このように、一見ただ雑談するだけで無駄な時間に思えそうな場から、希望に満ちあふれる企画が突然生まれるものなのです。
綿密な資料を準備して、司会進行役がしっかり進めていく会議は、緊張感があって会議全体が締まります。しかし、その緊張感が「単なる思い付き」や「突拍子もない発想」を発言する妨げになってしまいがちです。私が記憶する限り、格式高い緊張感のある会議において、革新的な発想や斬新な企画が生まれたことはほとんどありません。新しい発想や新しい企画、その素材は雑談の中に眠っていると言っても過言ではありません。
まさに、無駄な時間は発想の宝庫です。時間対効果で効率を追究するのも1つの過ごし方ですが、ゆとりを持って無駄な時間を過ごし、人生を豊かにする素材を探し当ててみてはいかがでしょうか。




