崖っぷち「二階元幹事長の息子」が訴える「中国から再びパンダを!」 【参院選和歌山選挙区】

国内 社会

  • ブックマーク

逆にマイナスに

 伸康氏の父、二階俊博・元幹事長が政界きっての「親中派」だったことは知られている。大訪問団を率いて訪中し、江沢民、胡錦涛、習近平ら歴代の最高指導者と面会。地元に江沢民の記念碑を建てようと計画したり、年金施設の跡地を、懇意にしている中国企業に有利な条件で売却するべく尽力したりしたこともある。

 パンダに関しても、地元のアドベンチャーワールドへの誘致に尽力したと言われている。そのパイプを生かして、ということだろうか。

 が、当の二階陣営からは疑問の声も上がっているという。

「パンダの貸与の可否というのは、国と国との外交の問題で、国際政治上の力学も影響してくる。伸康さんが仮に当選したところで、いくら父が親中派の大物だからと言って、1年生議員にどうこう出来るテーマではありません。パンダの貸与を政治の材料に使う中国への反発も、とりわけ自民党が基盤とする保守層には一定数あります。そうした事情もあり、陣営の中にはパンダのことは軽々しく口にすべきではない、得票にも結びつかず、逆にマイナスになりかねないと思っている幹部もいる。しかし、伸康さんはこれまで堂々と訴えています。彼のこうした “政治センス”に不安を感じている後援者もいます」(同)

ラストチャンス

 伸康氏にとって、この選挙は背水の陣だ。

「これでまたもや敗れれば、国会議員への道はますます険しくなる。3年後の参院選では同じ自民党の鶴保庸介・元沖北担当相が出馬予定ですし、次の衆院選に出たとしても、また現職で強敵の世耕氏とぶつかる。その時、世耕氏が仮に復党でもしていたら、公認がもらえるかどうかも怪しくなる。その意味で、この選挙は、伸康さんにとってのラストチャンスとなる可能性も。負けが許されない戦いなのです」(同)

 その戦の目玉が果たして「パンダ」で良いのかどうかはともかく、要注目の選挙区であることだけは間違いない。

 関連記事【「実は中国との友好都市提携を断わったばかりで……」 和歌山「パンダ4頭返還」 地元・白浜町長が語る“一斉帰国”の深層】では、アドベンチャーワールドから中国にパンダが返還された背景事情について考察している。

デイリー新潮編集部

前へ 1 2 3 次へ

[3/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。