京都「車折神社」に脅迫メールで「38歳無職の男」が逮捕…「生成AI」反対派はなぜ過激化するのか 渦中のイラストレーターが明かす“常軌を逸した”誹謗中傷の中身
感情的な議論は避けるべき
――炎上を機に、車折神社には殺害予告や放火予告が届いた。
率直に犯罪だと思います。生成AIについて感想や批判を言うのは構わないと思うのですが、さすがにいきすぎているのではないかと。Xで生成AIに反対する意見をたくさん見たのですが、かなり誹謗中傷が多いです。「神がいなくなった」とか「神社をたたんでしまえ」とか、感情的なコメントが目につきました。
論理的に書いている人ももちろんいましたが、度が過ぎている人がかなりいました。私はそれらをスクリーンショットして車折神社さんに提出しました。生成AIの反対派からも推進派からも、お互いの行動や発言を問題視する声が出ていますが、どちら側にも過激な言動が目につきます。言っていることはあまり変わらないんじゃないか、とすら思います。
――そもそもなぜ、生成AIを活用しようと考えたのか。
私は生成AIを作って絵を作るのが好きなだけなので、推進しているわけでもないし、反対しているわけでもありません。絵を描くツールはデジタルになり、次のツールとして生成AIが登場してきた。今までは絵を描けなかった人はいっぱいいたと思いますが、生成AIの登場によって自分が思い描いていたものを具現化できるようになりました。これが、私としてはとても嬉しかったんですよね。
絵を描いてみたい、作ってみたい……と思っていたけれど、そこまで至らなかった人にとって、生成AIは素晴らしいツールだと思います。生成AIは無断学習をしていると問題視されます。しかし、人間もいろんなイラストや漫画や絵画を見て、描いてみたいと思って絵柄を習得している。これは学習ですよね。人間が学習するのは良くて、生成AIが学習するのがなぜ問題になるのでしょうか。
反対する気持ちはもちろん理解できます。自分の手で描いてきたものが生成AIの登場によって、自分よりもうまく描かれたりとか、突然ぱっと言葉だけでイラストができたりするのは、絵を描く人たちからすれば、これまでの仕事を否定されているんじゃないかと思うかもしれません。私も絵描きさんと同じ立場だったらそう思っているかもしれない。ただ、私が見ている限りでは、生成AIによって表現の幅が広がっていくようにも感じます。
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