「トランプ王朝」誕生か 国家が「ファミリービジネス」化、低所得者層泣かせの「美しい法案」成立…米国政治の機能不全が止まらない

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共和党と民主党の対立激化は必至

 トランプ王朝の誕生はMAGA主義者にとって望ましいことかもしれないが、多くの米国人にとっては悪夢以外の何ものでもない。

 一方、民主党はさらにリベラル寄りになる可能性が高まっている。

 ニューヨーク市の市長選の予備選で、急進左派として知られるゾーラン・マムダニ氏が有力候補を押しのけて勝利した。11月の本戦に進むマムダニ氏は民主党内の政治組織「米国民主社会主義者」のメンバーの1人だ。

 民主党の牙城とも呼ばれるカリフォルニア州ではトランプ政権への反発から、米国から2028年に独立する是非を問う住民投票の実施に向けて署名活動が行われている。

 住民投票で住民の過半数が支持したとしても法的には効力がなく、州の独立は極めてハードルが高いのが現状だ。だが、カリフォルニア州に続けとばかりに民主党が主導する他の州でも同様の動きが生まれれば、風雲急を告げる事態になりかねない。

 共和・民主党間の対立がさらに激化するのは必至の情勢だ。米国政治の機能不全が一層深刻になるのは間違いないのではないだろうか。

藤和彦
経済産業研究所コンサルティングフェロー。経歴は1960年名古屋生まれ、1984年通商産業省(現・経済産業省)入省、2003年から内閣官房に出向(内閣情報調査室内閣情報分析官)。

デイリー新潮編集部

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