「参政党の神谷さんは陰謀論に染まり切っている」 元党員が証言 「勉強会で語る”歴史の真実”は陰謀史観そのもの」

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「明治維新の裏には国際金融資本がいた」

 ほどなく〈メッセージを発するには社会的な立場を確立せねば〉との考えに至り、政治家を目指すと決意。2007年4月に大阪の吹田市議選に29歳の若さで当選した。

 その後は12年に吹田市議の2期目の途中で辞職し、自民党公認で大阪13区から出馬するも落選。ネットでの活動に活路を見いだし、「株式会社グランドストラテジー」を設立(後に「イシキカイカク株式会社」に社名変更)して保守系言論人との対談などの動画コンテンツを配信するほか、自己啓発セミナーを運営するなどの活動を続けた。

 そんな雌伏の期間を経て、彼は参政党の母体であるYouTubeチャンネル「政党DIY」を、保守系ユーチューバーのKAZUYA氏(37)、政治アナリストの渡瀬裕哉氏(43)らと立ち上げると、彼らのほか松田学元衆議院議員(67)らがボードメンバーとなり、20年4月に参政党が結党された。

 ところが、ここで問題が発生したという。創設時を知る元党幹部が語る。

「神谷さんは参政党とは別に『イシキカイカクセミナー』を主宰していたのですが、講師の中にはスピリチュアル系の思想に染まった講師がたくさんいました。その受講生が参政党に流れてきたので、当然、危うい考えを持つ党員が蔓延(はびこ)る状況になったのです」

 別の元党員は、神谷代表自身が陰謀論に染まり切っていると言う。

「神谷さんは内輪の勉強会で“歴史の真実”を語るのですが、それは“明治維新の裏には国際金融資本がいた”などという陰謀史観そのものでした」

街頭演説で「愛人OK」発言

 21年にKAZUYA氏、渡瀬氏らが抜けて、代わりにコアメンバーとなったのが元中部大学特任教授の武田邦彦氏(82)や医療問題アナリストで歯科医師の吉野敏明氏(57)=現在日本誠真会党首=、右翼活動家の故・赤尾敏の姪、赤尾由美氏(60)だった。彼ら三人と神谷氏と松田氏の五人は、党内で“ゴレンジャー”と称された。

「“ゴレンジャー”が活動した時期はコロナ禍と重なります。武田氏や吉野氏らが反ワクチン的な主張を展開し、それが政府のコロナ対策に不満を抱える有権者に刺さりました。22年7月の参院選で、神谷代表が比例で議席を得る原動力になったのです」(前出のデスク)

 しかし、神谷代表は側近との人間関係が長続きしないようだ。23年、赤尾氏と吉野氏が相次いで離党。武田氏は除籍処分となった。

 吉野氏が言う。

「神谷さんは、参議院議員に当選してから独裁者に変わりました。松田さんを初代代表の座から引きずり下ろし、私が神谷さんにワクチンの問題点を助言したのに、コロナ禍が去ったら利用価値がないからか、私も排除した。彼のワクチンに関する発言は、以前とは180度変わっています」

 武田氏にも話を聞いた。

「神谷さんは街頭演説などで“参政党は愛人OK”なんて言っていますし、今の参政党はまともじゃないですよ」

 神谷代表に“愛人OK”発言について尋ねると、

「当該演説での発言は、過去に失敗や問題を抱えたとしても、それを克服し、能力があれば再び活躍の場を得るべきだという趣旨を、例示的に表現したもの」

 と、書面で回答。また、陰謀史観については、

「『あの勢力』は、グローバリストのことで『国際金融資本』等ですが、『あの勢力』との言い方が良く伝わらなかった」

 神谷代表と参政党の危うい実像。7月20日の投開票では、どんな審判が下るだろうか。

週刊新潮 2025年7月17日号掲載

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