「インドの事故以外にもこんなに…」 航空機事故相次ぐ「ボーイング」は「エアバス」と何が違うのか
世界と日本におけるボーイングとエアバスのシェア
日本の航空機市場では、歴史的にボーイングが独占状態を長らく保っていた。それは、マグドネル・ダグラス社とともに、第二次大戦後においては、戦勝国であり、本土内の被害が少なかった米国の航空機メーカーの開発力が世界的に見て圧倒的であったためである(ボーイングはダグラスを1997年に買収して吸収し、今に至っている)。日本の航空会社としても、アメリカの航空機メーカー以外の選択肢はなかったのである。
一方、アメリカのメーカーの寡占状態に危惧を抱いたヨーロッパは、フランスと旧西ドイツの航空機メーカーが共同出資する形で、現在のエアバスにつながるエアバス・インダストリーを設立した。その後、同社は着実に販売シェアを伸ばしていき、今ではボーイングをしのぐまでのシェアを獲得するに至っている(2024年度の売上高をベースとした世界市場シェア推計によると、エアバス25.42%、ボーイング10.82%。https://deallab.info/より。2025年7月7日閲覧)。
そして日本市場においても、ボーイングに対して後れをとっていたエアバスは近年、強力な販売促進を行ってきている。
〈有料版の記事【「事故はなぜボーイング機が多いのか」「エアバスと比べてシェアはどうなる?」 “思想の違い”から見えた両社の決定的な違いと今後の行方】〉では、日本における両社の導入状況や今後の展望、両社の違いの根本にある“思想の違い”、台頭しつつある中国メーカーなどについて詳述している。
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