「決まり手に芸術点を」「体重で階級を分けては」 元横綱・白鵬の「相撲国際大会」構想で考える「SUMO」を世界的スポーツにする方法

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「ポイント制」の導入を

 まず、重要なのは「階級制」「無差別級」両方を一つの興行でやることである。正直、相撲という競技は無茶苦茶である。格闘技というものはやはり体重の重い者が圧倒的に強い。そこは人知を超えた真実である。競技人口を増やすためにも男子の場合は以下のような階級にする。

 50kg代級、60kg代級、70kg代級、80kg代級、90kg代級、100kg代級、100kg超級。そして基本的な相撲のルールは「土俵から出したら勝ち」「相手を土俵に倒したら勝ち」であり、ここは尊重するが、「3本勝負」を原則とする。つまり、先に2回勝利した選手が勝ちなのである。何しろ1発勝負だったら3秒で試合が終わる、なんてこともあり、興行として場が持たない。3本勝負にした方が選手同士の駆け引きも発生して面白い。

 そして、椎名氏がボクシングで提案した「しゃべってもいい」を導入する。「おいおい、お前、なんだよ、オレ様は88kgで筋肉でこの鋼の肉体を作ったが、お前はタダの脂肪で89kgになっとるんか? そんなぶよぶよボディでオレ様に挑戦しようとは片腹痛いわ!」「なんだこの野郎! お前なんて元々公認会計士だろ! オレは大学時代は体育会相撲部にいたんだよ、トーシローと一緒にするんじゃねぇ、この野郎!」などとやり取りをする。

 また、あくまでも観客からすればエンターテインメントであるため、「ポイント制」を導入する。それが何かといえば、勝利した場合はたとえば10ポイントを付与し、負けた場合は2ポイントの付与。そこにフィギュアスケート的「芸術点」を加味するのだ。宇良や舞の海といった小兵力士は巧みな技で会場を沸かせたが、審判員が決め技に対してボーナスポイントを加味する。

 突き出し、寄り切り、押し出しはまぁ、芸術点としてはあまり高くはないだろう。だが、「三所攻め」「浴びせ倒し」「居反り」「上手投げ」などは会場が盛り上がるもの。これらの技にもポイントを設定するのである。負けたとしても、「試合後のスポーツマンシップが見事だった」などで1ポイントが加算される。これをベースに、1年間のシーズン終了後に総合ランキングをつけるのだ。

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