「教育より外国人対策を」クルド人問題に近接する「さいたま市長選」で予兆が…「玉木」国民民主党の支持を奪う「参政党」躍進の秘密とは

国内 政治

  • ブックマーク

参政党が「右派の新しい受け皿」に

「給付か減税か」――。世論調査をみても、有権者は明確に「減税」のほうを好んでいます。直近の報道各社の世論調査でも、過半数が消費減税などの減税政策を支持する一方、給付については7割程度が「評価しない」とするなど、給付よりも減税を好む傾向が明白です。つまり、シンプルに給付金は評判が悪いんです。バラマキと見なされることに加え、受け取る側の生活者としても、一回きりのお金では先の生活の見通しが立てにくいことがあげられます。物価高で重税感が強まっていることや、世論に政府の税金の使途が合理的だという認識が薄いこともあり、減税を望む声が大きいのです。

 低所得者向けの給付金もときどき議論されますが、その場合、給付金を受け取る世帯の4分の3程度が高齢者世帯になるという指摘もあります。それでは国民民主党を支持するような現役世代や若い人たちにはあまり恩恵がないという点も評判の悪さにつながっています。やはり、物価高対策としてアピールするには、給付は得策ではないということでしょう。

 今回の参院選の結果を左右することになりそうなのが参政党の動向です。参政党の支持層は、国民民主党の支持層と同じような特徴があります。 それは、かつての安倍政権への評価が非常に高く、一方で、旧民主党政権への評価が低いこと。参政党の場合、評価する人の割合が支持者全体の6割に上ります。

 私は参政党も国民民主党も同じような層が支持の出元だったのではないかと考えています。つまり、自民党が安倍政権の頃にホールドしていた支持層が、国民民主党や参政党に流れていっているのではないか。

 自民党の支持層は、岸田政権後期から石破政権にかけて高齢化が進んでいて、支持率は60代以上の高齢層に偏っています。こうした事態は高齢者からの支持が高くなったのではなく、若い支持層がいなくなったことで生じています。

 安倍政権を支持していた若い人たちが、岸田政権以降の自民党を支持しなくなり、さらに昨年の衆院選で国民民主党を支持するようになった。しかし、最近になって国民民主党は比例候補者の擁立問題などで失望を買った部分があり、そこにSNSやネットを支持層獲得の場としている参政党が「右派の新しい受け皿」として、いわゆる保守層を取りこんでいる。参政党は「減税」や「外国人問題」といったテーマを掲げて、右寄りの安倍政権支持層や無党派層を、国民民主など他党の支持層やそれに近い政治意識を持つ無党派層から急速に取り込んでいったという流れだと分析しています。

次ページ:「教育よりも外国人問題を何とかしてほしい」

前へ 1 2 3 次へ

[2/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。