“なんでもやる”「コメ大臣」小泉進次郎氏は「コメの消費税率0%」を 石破茂首相が掲げる「農地の大規模化」はほんとうに日本の農業を救うのか

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『薄い市場』と呼ばれる

「日本が海外の米を緊急輸入すると発言すれば、諸外国にシグナルを発することになります。1993年の米の大不作により外国産米を1994年に海外から緊急輸入した時のことを振り返ると、当時あまり日本では報じられなかったのですが、緊急輸入したことで国際米市場が急騰しました。輸出向け商業生産のある小麦や大豆・とうもろこしと異なり、米は自国内自給のための生産が基本です。生産量に対して国境を越える取引量は10%を下回り『薄い市場』と呼ばれ不安定です。取引参加者も限られ、近年の金額・量の多い順に輸出はインド、タイ、ベトナム、パキスタン、輸入はインドネシア、中国、EU、サウジアラビアですが、日本が米を輸入するとなると、国際市場にとどまらず、出荷先がシフトすることに加え、作付体系の変更等による米食各国の国内米価への影響が懸念されます。日本はミニマムアクセス米を含む輸入額が既にトップ10(2023~2024年は7位)に入っており、国際米相場を動かす大国としてふるまいます。米の緊急輸入に言及すると、品種や等級をまたぐ価格上昇にとどまらず、他作物の相場など国際市場の各方面に少なからぬ影響を与える恐れがあるということを認識すべきでしょう」 

 そこでこんな「ウルトラC」があるのではないか、と指摘する。

「もし小泉農相が“なんでもする”とおっしゃっている通り、なのであれば、米の小売価格を下げる確実な方法として、コメの消費税率を0%にすればと思います。小売り側は8%上乗せせずに販売出来ますし、消費者も8%安い値段で購入することが出来る。コメの消費税率0%は生産者米価を下げることなく消費者米価を下げ、両価格の差が縮まります。また消費税率0%対象のコメを主食用米に限定せず、加工用米、酒米、飼料用米等も含めれば、日本の食農システムの改善に資するでしょう。消費者と小売り・卸し、農協、生産者にはそれぞれの立場・役割があり、分断させない政策は政府にしか出来ません。『作況指数』の公表が見送られるとの報道から、令和7年産米の単収そして収量の見通しがより困難となる状況下、国民全体が恩恵を受けられる政策を実行して欲しいと考えています」

デイリー新潮編集部

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