“なんでもやる”「コメ大臣」小泉進次郎氏は「コメの消費税率0%」を 石破茂首相が掲げる「農地の大規模化」はほんとうに日本の農業を救うのか

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備蓄米の管理倉庫は主に生産地

 3.0ha未満の小規模経営体がどこに水田を持っているか、を見ていくと、

「中山間地域であったり、都市近郊の水田が多いので、それを物理的に広げて大規模化するのは難しい。現在、日本の水稲作付面積の3分の1を担っている小規模米農家を切り捨てるのではなく、むしろ1販売農家・経営体あたり3haを上限に直接経費を定額補填すれば、小規模農家は赤字を理由に離農せず、米作りを続けやすくなるはずです。また、新規参入する、米作りをはじめたばかりの経営体というのは、いきなり大規模からはじめたりはせず、多くは3ha未満からはじめるところが多いので、新規参入もしやすくなります。今、政府が出している転作奨励金、転作への補助金等は3500億円前後なので、この額を販売目的の水稲経営体へ3haを上限とする経費補填の原資にすればいい。大規模農家の多くは、既に生産者販売価格が損益分岐価格を上回っており、追加的な経費補填となります。3ha未満の水稲販売農家・経営体が経常赤字分について定額補填をされるのであれば、生産者団体である農協としても反対する理由がないように思います」

 今回、備蓄米が流通する過程にも問題があった。

「図らずも備蓄米の放出する形態が非常に脆弱であるということが明るみに出ました。備蓄米の管理倉庫は主に生産地にあり、消費量が多い東京や大阪から離れている場合がほとんどです。関西圏では、東京以上に米が届かないと報じられていますが、備蓄米の管理倉庫から距離がある分、流通も届きにくくなっています。そういった意味でも、都市近郊で生産する小規模農家を含めて支援していくべきだと思っています」
 
 米価を下げていく方策の一つに米の輸入が話題になっている。

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