小泉進次郎農水相「コンバインはリースが当たり前」発言に4人の農家が明かす本音

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「リースより買う方が安い」

 そもそも農機を個々で保有していたら、小泉大臣のいうように「どう考えたって経済的にペイしない」ものなのか。

 関東在住の農家は、

「購入額は多額に見えますが、コンバインは減価償却の対象になるので、言われるほど経営負担が大きいわけではありません。また、仮に2000万円で購入し、耐用年数とされる7年間使うとすると、1年あたりの費用は単純計算で約285万円。毎年の整備代を高く見積もっても300万円台には収まるという計算になります」

 既存のリースサービスと比較すると、

「たとえばJAのリースサービスなら、20日間の契約で200万円以上かかります。だけどうちのような中規模から大規模くらいの農家だと、稲刈りには1カ月以上かかりますから、20日では終わらない。だからこのリースを利用するなら2単位分契約しなければならず、費用は400万円以上かかる。現行のリースと比較しても、購入する方が経営には優しいですね。そもそもJAのリースは1台以上保有している人しか利用できませんが」

 一方で、「リースがあるとありがたい」という農家にも話を聞いてみた。

「周りも『買うのが当たり前』みたいな感じだったので、私も中古で200万円くらいの小さいコンバインを買いました。うちみたいに規模の小さい農家だったら、コンバインは1年に1週間も使わないくらいなので、ピンポイントで使えるリースはありがたいかもしれませんね。ただ小泉大臣が言うような大規模な農家さんだと1カ月は借りないといけないでしょうから、恩恵はあまりないのだろうなと思います」

 発言一つで業界に多大な影響を与えうる立場である。どうかご発言は慎重に。

 有料記事【「備蓄米カビ毒検査」大手小売20社への独自調査でわかった「不安な事業者」の実名リストと全回答】では、小泉大臣が打ち出した、概算金や作況指数の廃止などに対する農業関係者の本音に加え、放出された備蓄米の小売事業者に対して行った「カビ検査」に関する独自調査の結果などについて、詳述している。

デイリー新潮編集部

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