「仕事の連絡にLINEは使わないでください」 若手社員の発言に凍りつく職場…“電話が怖い”だけじゃない社内コミュニケーションをめぐる葛藤

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とりあえず全員入れておこう

 仕事をする上で若者とのコミュニケーションに悩む中高年が多い、という記事がネットには時々登場する。そこには「電話をする前にメッセンジャーやLINEやメールで事前に内容を伝えてほしい」「電話は怖いからかけないでほしい」「メッセージに『。』を使うと威圧的に感じる」「おじさんが絵文字を使うのはキモい」などといった若者からの意見が掲載されている。そして大抵、この手の記事には「分かります!」という声はあるものの、「時代は変わったものだ……」などのコメントがつく。

 2000年代前半ぐらいまでは問答無用で「電話がかかってきたらすぐ出ろ!」「メールを受け取ったらすぐ返事しろ!」というオラオラ系のビジネスマナーが幅を利かせていたが、最近では個々人の快適なコミュニケーションスタイルを尊重し、周囲がその人に合わせてあげているように感じられる。

 当然、30代以下からは「電話は怖い。かけないでほしい」はけっこうな確率で言われる。そんな状況下、仕事仲間の情報共有手段としてLINEのグループメッセージを使う人も多いだろうが、なんと、「LINEはすべてプライベートで使うものであり、仕事の相手には使いたくないのです」と言う若い社員がいたそうだ。その人はLINEの音声通話にしても、抵抗感があるからやめてほしい、と言う。もしもLINEを使いたいのであれば、百歩譲って会社からスマホを支給してもらいたい、と。でもその会社はケチだから支給してくれないそうなのだ。

 現在の40~60代であれば、仕事でメールを使うことは普通のことだった。メールの場合、メーリングリストに「とりあえず関係する人全員入れておこう」のような気持ちから30人ぐらいを入れてしまい、頻繁に自分とは関係ないメールが飛び交うような状況があった。

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