“日本沈没”の予言日まで「あと3日」…減便の航空会社まで現れた 地震予知の専門家の見解は
「科学的には全く根拠がありません」
「夢」の世界を通り越し、「現実世界」にまで影響を及ぼし始めているたつき氏の“予言”だが、〈海底がボコンと破裂〉というその記述について、地震予知に詳しい東海大学・静岡県立大学客員教授の長尾年恭氏は「科学的にあり得ない」と断言する。
「たつきさんが指摘している日本とフィリピンの中間の海底には、火山活動もなく、地震が起こる地質的条件も存在しません。地震はプレートのずれによって発生しますが、この地域にはプレート境界がなく、過去の観測でも大地震は記録されていません」(長尾教授)
世界の地震分布図を見ると、地震の震源地はプレート境界に沿って帯状に集中しており、日本とフィリピンの中間の海底で大地震が発生することは理論的にも不可能だと言うのだ。
「また、『東日本大震災の3倍の津波が来る』、『津波で香港、台湾、フィリピンが地続きになる』といった主張も、科学的には全く根拠がありません。津波の高さは地震による海底の変形で決まり、東日本大震災を超える津波は南海トラフ巨大地震でも考えにくいと言われています。また、津波の衝撃で陸地が隆起することはなく、“海底の隆起・沈降が津波を引き起こす”のであって、因果関係が逆です」(同)
「日時を指定して予言できるのは占い師か詐欺師ぐらい」
では、巨大津波が起きる可能性は完全に0%と言い切れるということなのだろうか。
「地震以外の理由、例えば10メートルや20メートル級の隕石が落ちて、津波を起こす可能性は“ゼロ”ではありません。直径1キロメートル規模の小惑星はNASAなどが監視していますが、すべてを把握できているわけではありません」(長尾教授)
ただし、直径1キロメートルに満たないサイズの隕石は予測が困難。とはいえ、
「日時を指定して予言できるのは占い師か詐欺師ぐらいと考えるべきでしょう」(同)
たつき氏は「夢」の力を借りての“予言”であるが、最新科学の力をもってしても、大災害の予測は不可能なのだろうか。
「“何月何日何時何分”と特定の日時を指定した地震や火山噴火の予測は、現在の科学では絶対にできません。これは地震学者・火山学者の共通認識です。観測網の高密度化により、10分~1時間前など直前に異常な電磁気現象など、何らかの前兆を観測できることはありますが、数ヶ月や数年先の日時を指定する予知はできません」(同)
[2/3ページ]


