巨人がDeNAに「3連続完封勝利」とはビックリ リーグ3位は好調投手陣のおかげ…これ以上は阪神に離されるな【柴田勲のコラム】

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巨人の中継ぎ陣は充実している

 この試合、2点をリードして迎えた6回に1死満塁の好機をつかんだ。打席にはオコエ瑠偉が立った。

 2回2死満塁、4回2死二塁で凡退していた。DeNAは内外野共に前進守備を取った。足の速い選手がいてタッチプレーというなら分かるが、フォースプレイの場面だ。

 3点以上取られたくない。こう判断したのだろう。でもオコエはゲッツーを取れる打者だ。もっと下がっていてもよかったのではないか。

 トレバー・バウアーの変化球を捉えた打球は遊撃手のグラブの先を抜けて、浅い守備位置を敷いていた左中間を抜けてフェンス際まで行った。

 そうだな。2メートル下がっていたらゲッツーだった。巨人、オコエはラッキーだった。走者一掃の三塁打となり試合の行方は決まった。

 9回サヨナラの場面なら仕方ないと思うが……無理をする必要があったか。バウアーにしても「ヒットを打たれたらオレの責任」となるが、「少し前なら打ち取れた」と考えたかもしれない。もちろん、チームの方針だけど、心に思うものが残った可能性はある。

 そして第3戦目の赤星優志も先発としての責任をしっかり果たした。

 中山の一発だけでは心もとなかったが、巨人の中継ぎ陣は充実している。なにより抑えには最高の守護神、ライデル・マルティネスが控えている。

 巨人は7回終了時にリードしていれば開幕から29連勝となった。4点、5点、1点……巨人が3連戦で挙げたのは10点だ。オコエのラッキーな三塁打もあった。

主砲とエースが離脱でも踏ん張る巨人

 打線を眺めれば本塁打を打てそうなのは丸佳浩くらいだ。吉川も本塁打を求めるタイプではない。4番を任されていて3本塁打だ。3番の泉口友汰もしかりだ。

 ここは先発陣が踏ん張り、とにかく1点でも2点でもいいから先行して、強力中継ぎ陣でしのいでマルティネスに託すしかない。いまの巨人打線には、3点を先行されたらはね返すだけの力はない。

 岡本和真がケガで戦線離脱して2カ月近くなる。いつ復帰できるのか。そんな話題を聞きたいし、2軍調整中の戸郷のことも気になる。

 主砲とエースが離脱している巨人、何度でも言うがよくやっている。

 1日から甲子園に乗り込んで阪神3連戦、東京ドームに戻って広島3連戦だ。とにかく阪神にこれ以上離されないことに尽きる。6連戦は要注目である。

(成績などは30日現在)

柴田 勲(しばた・いさお)
1944年2月8日生まれ。神奈川県・横浜市出身。法政二高時代はエースで5番。60年夏、61年センバツで甲子園連覇を達成し、62年に巨人に投手で入団。外野手転向後は甘いマスクと赤い手袋をトレードマークに俊足堅守の日本人初スイッチヒッターとして巨人のV9を支えた。主に1番を任され、盗塁王6回、通算579盗塁はNPB歴代3位でセ・リーグ記録。80年の巨人在籍中に2000本安打を達成した。入団当初の背番号は「12」だったが、70年から「7」に変更、王貞治の「1」、長嶋茂雄の「3」とともに野球ファン憧れの番号となった。現在、日本プロ野球名球会理事を務める。

デイリー新潮編集部

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