パ・リーグ6球団、後半戦期待の“上積み戦力”は誰になる!? 日本ハム&オリックスは「高卒投手」、ソフトバンクは「育成出身の遅咲き」

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新たな上積みをもたらす選手に期待

 三木肇監督が5年ぶりに復帰したものの、現在は5位に沈んでいる楽天。ただ3位は4.5ゲーム差と、Aクラス入りの可能性は十分に残されている。そんなチームの救世主として期待が高いのが、2020年(コロナ禍で短縮シーズン)にア・リーグで22本塁打を放ってホームラン王に輝いたボイト。

 それに加えて、もう1人面白い存在となるのが、一足先にチームに合流しているゴンザレスだ。メジャーでは2022年にガーディアンズで11本塁打を記録。5月21日に楽天と契約して6月10日に一軍に合流すると、ここまで11試合の出場で13安打、2本塁打、8打点、打率.271と順調なスタートを切っている。

 パワーがあるが、広角に打つ上手さも備えており、今年で27歳とまだまだ若い。振り返れば、2013年にチームが日本一となった時には、ジョーンズとマギーの外国人選手の働きが大きかった。ゴンザレスとボイトと両輪となれば、一気に得点力アップが期待できそうだ。

 交流戦では、2つの勝ち越しと成績は悪くなかったものの、他のパ・リーグ球団も全て勝ち越したこともあって、なかなかゲーム差を詰められていない最下位のロッテ。

 投手では田中晴也、木村優人、野手では山本大斗、寺地隆成らが成長を見せており、明るい材料も少なくない。だが、来季以降のことを考えても、さらなる若手の台頭が待たれる。

 そんな中で期待したいのが、ドラフト1位ルーキーの西川史礁だ。青山学院大では3年生の頃から中軸となり、チームのリーグ4連覇に貢献。即戦力の期待に応えて開幕スタメンを勝ち取り、いきなり5試合連続ヒットを放つなど順調な滑り出しを見せた。

 しかし、その後はなかなか結果が出ずに、2度の登録抹消を経験。それでも二軍では圧倒的な成績を残して6月13日に一軍復帰を果たすと、20日のDeNA戦から24日の巨人戦まで4試合連続でマルチヒットをマークするなど、一気に調子を上げてきたのだ。

 待望の一軍初ホームランこそ出ていないものの、スラッガーらしい打球の角度があるのが大きな魅力だ。前出の山本とともに中軸に定着すれば、一気にチームの将来は明るくなるだろう。

 こうして各球団1人ずつ挙げただけでも楽しみな選手が多いことがよく分かるだろう。再開するリーグ戦、そして後半戦に向けて、また新たな上積みをもたらす選手が続々と登場することを期待したい。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮編集部

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