パ・リーグ6球団、後半戦期待の“上積み戦力”は誰になる!? 日本ハム&オリックスは「高卒投手」、ソフトバンクは「育成出身の遅咲き」
一日でも早い復帰が
セ・パ交流戦で見事に優勝を果たして浮上してきたソフトバンク。柳田悠岐、今宮健介が故障、山川穂高が不調で二軍落ちを経験したほか、怪我から復帰した近藤健介もまだ本調子ではないだけに、彼らが復帰するだけでも相当な上積みとなる。
そしてもう一人キーマンとして挙げたい投手が、育成ドラフト6位ルーキーの川口冬弥だ。東海大菅生と城西国際大では目立った成績を残せず、クラブチームのハナマウイで2年プレーした後に四国アイランドリーグの徳島を経てプロ入りした“遅咲き”の選手である。
育成選手ながら開幕から二軍に定着すると、16試合に登板して防御率0点台をマークするなど安定した投球を見せて6月20日には支配下昇格を果たした。
一軍初登板となった6月21日の阪神戦でも1回を投げて無失点、2奪三振という見事なデビューを飾っている。コンスタントに150キロを超えるストレートと鋭く落ちるフォークで三振を奪える。
チームは、抑えのオスナが不調で二軍調整中で、リリーフ陣のてこ入れが必要な状況だ。川口にかかる期待は大きい。
昨年は歴史的な大敗となるシーズンとなりながら、今年はここまでAクラス争いを演じている西武。投手は今井達也と隅田知一郎に抜群の安定感がある一方で、野手の奮闘がAクラス入りへのカギとなる。
やはり期待したい選手は、大阪商業大出身のドラフト2位ルーキーの渡部聖弥だ。開幕スタメンを勝ち取るといきなりヒットを量産。5月23日のロッテ戦での走塁で足を痛め、大事をとって二軍調整が続いているが、ここまで規定打席には届いていないが、打率.331、4本塁打、17打点と見事な成績を残している。
他球団の編成担当は、渡部についてこう話している。
「ルーキーの場合、打てるボールと打てないボールがはっきりしていることが多いのですが、渡部は様々な打ち方で対応できる。一見、ラッキーに見えるようなヒットも、しっかり自分のスイングができていて、振る強さがある結果だと思います。あまり取り上げられることが少ないですが、外野の守備は安定していて肩も強い。プレーぶりもルーキーとは思えない落ち着きがありますね。後半戦に復帰して、規定打席に到達すれば、かなりの成績を残すのではないでしょうか」
これまで2度アクシデントによる怪我で離脱しており、ルーキーだけに無理はさせたくないところだが、西武にとっては、やはり一日でも早い復帰が待たれる。
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