「7月5日に大災害が起きる」に怯える小学生たち──大人の知らぬ間に学校で広まっていた“予言デマ”

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最初は「ショート動画」だった

 小学生の子を持つ記者仲間数人にも取材に協力してもらったところ、高学年の子どもたちは1~2年前からこの話を知っていたという実態が浮かび上がった。情報源として挙がったのは「学校」「友達」「YouTube」。最初はYouTubeで、その後、学校などを通じて子どもたちの間に噂は広がったようだ。

 実際、YouTubeで「7月5日」と検索すると、〈巨大津波〉〈日本沈没〉〈巨大な隕石〉〈ホピ族の予言〉など、夥しい数の動画がヒットする。

 Bさんに依頼し、息子がどのようにこれらの情報に触れ、どう感じていたのかを聞いてみた。以下はその回答である。

・どのチャンネルを見たかは覚えていないが、今まで50回以上は見た。
・最初はショート動画だったと思う。
・特に6月ごろから、表示される回数が増えたような気がする。
・初めて見たのは小3のときで、すごく怖かった。小6で人生が終わるのかと思って絶望した。
・友達の多くは信じていないが、自分は信じやすい性格なので少し怖い。漫画の予言だけでなく、NASAや霊媒師の情報など、いろいろ重なっているように思えるから。

「胎内記憶で自分も予言を聞いた」という絵本作家まで

 オカルトチャンネルの批判活動を行っているYouTuberのけんけん氏によると、最近便乗して「7月5日」を扱うYouTuberが急増してきたという。

「再生数稼ぎのためです。たつき氏の漫画だけでは話が続かないから、ホピ族の予言などいろいろなネタを盛り込んで不安を煽っています。煽れば煽るほど再生数が稼げる。『胎内記憶で自分も予言を聞いた』と話す有名絵本作家までいます。子どもたちはショート動画ばかり見ているので、センセーショナルなサムネイルに自然と刷り込まれていったのでしょう」

 たつき氏は70歳だというが、未来を担う子どもたちが根拠のないデマに怯えている状況についてどのように考えているのだろうか。

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