上映3時間も映画「国宝」が“連日満席”の大ヒット…不祥事を乗り越えた「吉沢亮」をはじめ“キャスト全員がハマり役”で絶賛の声
覚醒した吉沢
興収50~60億円を見込める大ヒット作となりそうな「国宝」だが、公開が危ぶまれた時期もあった。というのも今年1月、吉沢が昨年12月に自宅マンションで酒に酔って他人が住む隣室に侵入したとして、住居侵入容疑で警視庁に書類送検されたことが発覚し、所属事務所が謝罪したのである。東京地検が2月3日付で不起訴としていたものの、人気コミックを実写化した主演映画「ババンババンバンバンパイア」の公開が同月14日から7月4日に延期に。しかし、「国宝」は予定通り公開された。
「数年前にインタビューをした記者に聞いたところによると、自宅でUber Eatsを頼んでゲームをしていることを明かしたといいますからインドア派で、酒を飲むイメージはなかったそうです。しかし、21年のNHK大河ドラマ『青天を衝け』で主演を務めるなど、続々と主演作が舞い込み、仕事のプレッシャーも重くのしかかるようになり、酒でストレスを解消するしかなくなったのではないでしょうか」(映画業界関係者)
そんな自分の現状をリアルに表現したのか、「国宝」の中で、迫真の演技が見られたという。
「東一郎がどん底の時期、ビルの屋上で狂ったように踊るシーンがありました。最後に、森が演じる女性と会話して正気に戻るのですが、あのシーンでは、これまでの作品では見ることができなかった役者としての“狂気”に満ちていました。役者として覚醒したのでしょう」(同)
そのシーンについて、吉沢は6月2日に「映画.com」に掲載されたインタビューでこう語っている。
《3テイクくらい撮ったなかで、やっていることもバラバラでほぼアドリブだったんです》
《監督に森七菜ちゃんの顔を見ていてって言われたんです。それでバッと見ていたら『どこ見ているの?』って七菜ちゃんに言われて。『どこ見てたんやろな』って自然と出てきたセリフだったんです。僕自身のフィルターを通しながら、確かに喜久雄ってどこ見ているんだろう? と分からなくなる瞬間で、すごく素直にあの言葉が出てきた》
公開を控える「―バンパイア」で吉沢が演じるのは、「18歳の女性を知らない男」の血を好む吸血鬼・森蘭丸役。かつて瀕死状態の自分を救ってくれた、美少年の高校生の実家の銭湯で働きながら、彼の貞操を守り、血を目あてにしている役どころだ。
「原作のファンも支持するほどビジュアルはハマっていますが、もし、2月に公開されていれば、それほどヒットもせず忘れ去られていたかもしれません。しかし、『国宝』の大ヒットにより、同作への注目度も高まりました。早くも『国宝』の演技で今年度の映画賞を総なめにするのでは、ともっぱら。酒での不祥事も〝追い風〟に変わってしまいました。一部報道によると、事件の影響で断酒中だといいますが、俳優として忘れられない年になりそう。映画賞を戴冠したら美酒を味わえるのではないでしょうか」(前出・映画担当記者)
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