「1日3錠×3日間」より「1日1錠×5日間」の方が高リスク… 薬物乱用頭痛を避ける方法
血管収縮剤入りは「あくまで切り札」
「血管収縮剤が配合された点鼻薬は、あくまで緊急避難のための『ピンチヒッターの切り札』としての使用にとどめるべきです。これから大事な面接試験がある、あるいは結婚式でのスピーチが控えているのに、鼻詰まりがひどくて話すこともままならないといったような切羽詰まった時には使ってもいいでしょう。
そうした緊急時以外は、ピンチヒッターに頼らず、毎日、頑張ってくれる『スターティングメンバー』とでもいうべき『季節性アレルギー専用のステロイド点鼻薬』の使用をお勧めします。具体的な商品を調べるには、例えばOTC医薬品メーカー75社加盟の『日本OTC医薬品協会』がサポートする『おくすり検索』というサイトが役立つと思います」
ノンアルコール飲料の活用
首より下の話に移り、お酒好きにとって気になる「肝臓」の健康について。
佐久市立国保浅間総合病院(長野県)の肥満・脂肪肝専門「スマート外来」で診療を行っている肝臓外科医の尾形哲氏は、左党にとっていきなりの「断酒」は現実的ではないとし、まずはアルコール摂取量を減らす「減酒」を提唱。そのための方法の一つとして、ノンアルコール飲料の活用を勧めている。
「(顔が赤くならずに飲んでいられる遺伝子を持つ)NN型で大酒飲みの人にも、ノンアルコール飲料はお勧めです。とはいえ、お酒好きな人ほどノンアルコールはまずいし、酔えないし、飲めたものではないと考える傾向が強いようです」
サウナの日は休肝日に
「そういう人は、例えば最初は本当のビールを飲み、2~3杯目からノンアルコールビールにしてみる手があるでしょう。いきなりノンアルコールよりも抵抗感が少なく、ほどよく気持ち良くもなれるので慣れていきやすいと思います。
さらには、休肝日を設けることも、もちろん肝臓をいたわる行動です。私のお勧めは、サウナ後にビールではなくノンアルコールビールを飲む習慣です。せっかくサウナで整えたのですから、その日くらいは体に悪いことはしないと決める。
また、利尿作用があるアルコールは、水分を体外に排出する働きをします。ビールを1リットル飲んだ場合、1.1リットルの水分が体外に出ていきます。ですから、サウナで汗をかいた後のビールは脱水症状のリスクを高めてしまう。この点からも、『サウナの日は休肝日』がいいのではないでしょうか」
後編【「1時間座りっ放しだと、22分余命が短くなる」 デスクワークの「座り過ぎ」を防ぐ方法を専門家が伝授】では、「1時間の座りっ放し」で余命が短くなるという研究や、「座り過ぎ」への対策を紹介する。



