「車両内でスクワット」「額から汗がピチャピチャ流れ落ち」…「南北線」木刀振り回し男 目撃者が語る犯行直前の“異様な行動”
対処する方法はあるのか
今回、怪我人は出なかったが、ここ数年、列車内での無差別殺傷事件が相次いでいる。
先述した5月7日に南北線・東大前駅で起きた傷害事件をはじめ、昨年1月3日の深夜にはJR山手線の御徒町(東京・台東区)―秋葉原(千代田区)間の車内で20代の女が包丁で乗客に切りつける事件もあった。
2023年7月には大阪府泉佐野市内を走るJR関西空港線の車内で、30代の男が乗客を次々と刃物で切りつけて3人に怪我を負わせた。
21年8月には成城学園前(東京・世田谷区)―祖師ヶ谷大蔵(同前)間を走行中の小田急線の車内で、30代の男が女子大生など複数の乗客に刃物で切りつけて重軽傷を負わせる事件が発生。
同年10月には、小田急線の事件を参考にしたという20代の男が、東京・調布市を走行中の京王線の車内で乗客に切りつけ、可燃性の液体をまいて放火した事件も起きた。
在来線ばかりではない。18年6月には東海道新幹線の新横浜―小田原間の「のぞみ265号」の車内で、20代の男が乗客を鉈で切りつけ、1人を殺害、2人に重傷を負わせる事件もあった。
これらを受け、列車内での凶悪事件を想定した訓練を行う鉄道会社も増えている。だが、空港のように手荷物検査が実施されるわけでもないから、凶悪犯と遭遇する可能性は依然として残る。ましてや走行中の列車内は密室である。我々はどう対処すべきか――。ある危機管理アドバイザーは、このようなアドバイスをしている。
「今回、犯人に遭遇してしまった男性のように、危険を感じたらまず逃げることが第一です。車両を移動し、そこから非常通報ボタンを押す。非常通報ボタンは乗降ドアのそばや連結部分、優先席のそばに設置されていることが多いです。非常通報ボタンは車掌と連絡を取るインターホンのようなものなので、そこで、今、車内で何が起こっているかを説明しましょう。自分で犯人を取り押さえようなどとは思わないことが肝要です」





