連立入りの「維新」藤田文武共同代表が訴える「外国人政策」 なし崩し的な外国人受け入れを止め、「総量抑制」を検討せよ
「マクロ」と「ミクロ」の問題
――埼玉県川口市ではトルコ国籍のクルド人の増加が知られる。
川口市では治安やビザの問題が起き、学校にも在留許可がない子どもたちが増えている。しかし、同じことが全国であまねく起きているわけではない。制度の悪用がスキーム化されて拡大した側面がかなり大きい。これは、あくまで個別事例にどう対処するかという問題となる。入管難民法の運用上、制度のイレギュラーな利用、悪用に対し、どう蛇口を締めるかということだ。これは絶対にやらねばならない。
経営管理ビザや生活保護の悪用、悪意ある土地取得など、個別事案の問題は、しっかり制度を整えるべきだ。在日外国人受け入れの大方針というマクロの問題と、こうした個別事案というミクロ案件は、明確に区分して考えなければならない。
――在日外国人の社会への統合政策について。
実は、私の地元の大阪府大東市には、外国人労働者を社会に溶け込みやすくする取り組みを自然に行っている企業がある。私も訪問させていただくことがあるが、その会社は工場を持っており、全社員50人ほどのうち約10人が外国人技能実習生。彼らが病気になったり、けがをしたりしたら助け、そして地元の祭りにも一緒に参加している。そういう細やかな気配りを行い、日本社会への包摂につなげている。非常に良い事例だと思う。
このような取り組みを、地方自治体がきちんと並行して支援する形がふさわしい。地域には特性があり、国だけで一律に実行できるものではない。ただ自治体の財源はきちんと確保できるようにすべきだ。
人口増に頼らない経済成長モデル
――人口減少社会の日本では、いかに経済成長するかが重い課題だ。
岸田文雄前首相は「新しい資本主義」を打ち出し、石破政権も引き継いだ。しかし、本当の新しい資本主義とは、人口が減少したり現状維持にとどまったりしても経済が成長し、豊かさが増すモデルだと思う。規制緩和やロボティクス、AIなど、あらゆる政策をつなげて対応する必要があるが、人口政策はその基軸。各国が人口を奪い合い、とにかく人口増が経済を支えるという発想は転換する必要がある。そのためには人口動態のマネジメントが不可欠であり、人口政策は他の政策より上位にあるべきだ。
外国人参政権は不要
――在日外国人増に伴い、権利主張の一環で外国人参政権の問題が出てくる。
わが党の方針でもあるが、外国人参政権は認めるべきではない。例えばコミュニティーの中で外国人が2~3%程度なら、マイノリティーとして保護するという文脈で、日本人といい関係が作れるかもしれない。しかし、10%を超し、さらに30~40%になってくると、日本の文化や価値観、制度とは相いれない権利主張が非常に強まる恐れがある。
対外的に開けた国にしようという考えはいい。しかし、日本が長い歴史の中で培った特有の社会や文化の良さ、つまり保守的な価値観によるコミュニティーの優れたところは、深く息づいている。そうした良さを持つ日本社会に外国人が適合、貢献してもらうことで、いい人生を送ってもらおうと考えるべきだ。その制度設計には、何度も言うように、外国人の総量マネジメントが重要となる。
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