「7月に火星人が攻めて来る!」「家族で山に避難!」 恐怖の「大予言」に踊った人、あおった人… 「2025年7月5日に大災害が起きる」予言で思い出す世紀末の狂乱

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「悪魔的未来人が侵略してきます」

 他にも当時、いろいろな研究者たちが、世界の終わりについて独自の解釈を述べていた。

「コンピューターの2000年問題が破局の原因。海底油田に関するコンピューター・チップの誤作動をきっかけにエネルギー危機が起きます」

「イタリアのベスビオ火山が9月に爆発。イタリアが全滅します」

「悪魔的未来人が侵略してきます」

 数々の予言が日本を騒がせていたのだが、前編でもお伝えした通り、すでに1999年の頃には、本気で心配する人がさほど多かったわけではない。科学的な常識を持つ人が増えたこと、ノストラダムスの「予言」そのもののカラクリ、怪しさを説く論者も多くいたこと、そもそも阪神淡路大震災など、深刻な災害はすでに起きていたことなど、理由はさまざまだろう。

 また、オウム真理教のようなカルト教団が、ハルマゲドンを悪用したことも、結果として日本人のリテラシーを高めるのに貢献した面もある。

「結局のところ、人を恐がらせて金を儲けようとしているだけでは」と考える人を彼らが増やしたのである。

 2025年7月5日に関する世間の受け止め方は、比較的冷静なものが目立つ。

 当たるかどうかは別として、災害に備えておくのはいいことだ、といったものが大半だ。「1999年7月」の学習効果は維持できているということかもしれない。

 前編【「7月5日」予言で改めて注目集める「1999年7月」 『ノストラダムスの大予言』著者が口にしていた後悔の念】では、ノストラダムスブームの火付け役である五島勉が語っていた「後悔の念」や、当時の日本人の予言の受け止め方について報じている。

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