「7月に火星人が攻めて来る!」「家族で山に避難!」 恐怖の「大予言」に踊った人、あおった人… 「2025年7月5日に大災害が起きる」予言で思い出す世紀末の狂乱

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宇宙人に守られていると語る男性も登場

 同様に山に逃げると語るのは、青森県内のB子さん。

「ノストラダムスの著書“諸世紀”の4章18節に、777という数字が出てくる。これは、グリニッジ時間で今年(1999年)7月7日午前7時に大洪水が起こることを意味しています」

 そう信じる彼女は、標高3000メートル以上の山に1カ月分の食料を持って逃げる、と決意を語っている。

 その他、Aさんの友人の中には、UFOを目撃して以来、宇宙人に守られていると語る男性も登場。大量の隕石が地球に落ちてくるビジョンを繰り返し見たという。

「山は吹き飛び、ビルは倒れ、海には何十メートルという水柱が上がる」惨事が起きるのだが、自分自身は船に乗っているので無事、というビジョンだという。この人物は、宇宙人の指示で、健康器具を1万円ほどで製造、販売している。これを一定数完売すれば、地球が救われるというメッセージを受けたのだそうだ。

「火星人が人間を裏切る形で侵攻を始めてくるんです!」

 健康器具のセールスは定かではないが、当時、ノストラダムス需要で売り上げが伸びた商品はいくつかある。その一つがシェルターだ。これは予言が外れても使い道があるのだから、お金に余裕がある人にとっては実用的な買い物と言えなくもない。

 一方、今では忘れ去られているが、「ノストラダムス本」も数多く出版されていた。1996年、1997年の関連新刊は10冊前後だったが、1998年には30冊以上が出版され、1999年にも続々と刊行されていった。

 もっとも、オリジネーターの五島氏と同じ内容では芸も訴求力もない。「恐怖の大王」についての解釈は本によってさまざまだ。

 そのうちの一冊、『ノストラダムス大予言 原典 諸世紀』の版元「たま出版」の取締役編集長は、韮沢潤一郎氏。超常現象に精通した人物として、メディアではおなじみの方である。当時の韮沢氏の解説は以下の通り。

「わたしは、この7月を境にいよいよ火星人の地球侵略が始まると思います。

 公表されていないが、実はこれまでに人類が送った火星探査機はみんな火星の地表で壊れている。わたしたちはそのときの最後の映像を入手できたんですが、無数の細かな人工的物質によって破壊されている。火星人の地雷のようなものです。

 つまり、火星に高度な文明を持つ生命体がいる。完璧な報道管制が敷かれているので知られていないが、実はアメリカ政府と火星人はすでに協力態勢に入っています。

 例えば、火星人は地球の砂を火星に持って帰ったりしているのですが、それはアメリカ政府との協力の下に行われている。それがこの7月、火星人が人間を裏切る形で侵攻を始めてくるんです!」

 幸い、この攻撃はいまだ始まっていない。

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