セ・リーグ6球団、後半戦期待の“上積み戦力”は誰になる!? 離脱中のベテランの復帰か、若手の台頭か

スポーツ 野球

  • ブックマーク

「ここからが勝負」という選手が多い

 中日では松葉貴大、涌井秀章、大野雄大のベテラン投手陣の頑張りが目立つが、もう一人忘れてはならないのが柳裕也だ。

 昨年は、一軍定着後、最低となる67回の登板に終わるなど精彩を欠いた。今年は4試合に登板して1勝1敗ながら防御率は0点台と抜群の安定感を見せていた。

 4月23日の巨人戦で右肩に違和感を覚えて翌日には登録抹消となり、二軍での調整が続いている。6月15日のソフトバンクとの二軍戦で、実戦復帰を果たし、3回を投げて無失点と好投を見せた。

 順調にいけば、今年中に国内FA権を取得すると見られており、自身の“市場価値”を高めるためにも、重要なシーズンとなる。後半戦は完全復活に期待だ。

 5チームと大差をつけられて最下位に沈んでいるヤクルト。ここまでわずか1試合の出場に終わっている主砲の村上宗隆の復帰が待たれるところだが、来年以降のことを考えると、それ以外の上積みも欲しい。

 そうなると、期待はやはりドラフト1位ルーキーの中村優斗になるだろう。地方リーグ所属ながら、そのスピードは圧倒的なものがあり、4年時には大学日本代表でも活躍した。1月の合同自主トレ中に上半身のコンディション不良を訴えて、スロー調整となっていたものの、順調に回復した。

 二軍では既に持ち味の150キロを超えるストレートを投げ込み、復調ぶりをアピールしている。後半戦でチームが浮上するために、どれだけ力になれるのか、非常に楽しみだ。

 今シーズンはもちろんだが、チームによっては来季以降のことも徐々に気になる時期となってくる。「ここからが勝負」という選手が多いだけに、名前を挙げた以外からも続々と、チームに活気を与える戦力が飛び出してくることを期待したい。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮編集部

前へ 1 2 3 次へ

[3/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。