失言は政治家だけではない…プロ野球界で物議を醸した4つの“不適切発言” 「巨人のユニホームを着た審判をお立ち台に上げてやれ!」ほか

スポーツ 野球

  • ブックマーク

セ・リーグ会長の逆鱗に触れた野村監督の“不適切発言”

 審判への不適切発言が問題になったのが、ヤクルト時代の野村克也監督である。

 1994年5月21日の巨人戦、4対3とリードのヤクルトは8回2死二塁のチャンスで、飯田哲也が橋本清の初球、外角低めフォークをストライクに取られたことが、伏線となる。

 飯田は「あれがストライクなら、毎日完全試合できる」と不満をぶちまけ、野村監督も抗議したが、判定は変わらず、ヤクルトは無得点に終わった。

 試合後、野村監督は「あんまり言いたかないが、13対9で戦わないかんのだから大変だよ」とあたかも審判4人が巨人とグルであるかのようなコメントを口にしたが、この発言が川島廣守セ・リーグ会長の逆鱗に触れてしまう。

「プロ野球の公正さを疑わせる意味で、不謹慎のそしりは免れず、極めて遺憾」

 と善処を求められたヤクルトは、桑原潤オーナーが川島会長を訪問して陳謝。球団から叱責を受けた野村監督も「想像と推測でモノを言ったのは、反省している。口を滑らせて、言ってはいけないことを言ってしまった」と自らを戒める羽目になった。

 97年には、広島・三村敏之監督も、6月15日の巨人戦で不利な判定をきっかけに逆転負けを喫した試合後、「巨人のユニホームを着た審判をお立ち台に上げてやれ」と当該審判を皮肉った。この不適切発言に対し、前出の川島会長は「事実なら、審判への侮辱だ。スポーツマンらしからぬ言動」と問題視。これを受けてセ・リーグは同17日、三村監督に制裁金20万円のペナルティを科している。

次ページ:「アイ・ドント・ライク・ノウミサン」

前へ 1 2 3 次へ

[2/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。