「打率0割台」「サイン見落とし」で2軍落ちも……巨人のレジェンド4番が「リチャードこそ天性のホームランバッター」と太鼓判を押す理由

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新庄監督の“凡事徹底”

 現在の12球団で凡事徹底を実行し、選手の凡ミスを減らしているチームはあるのか。広澤氏に質問すると「新庄剛志監督(53)率いる日ハムです」という答えが返ってきた。

「野村監督のような、やや威圧的な指導方法だと、今の若い選手は萎縮してしまうかもしれません。新庄監督は多分、『前向きのミスは許す』といった、10代の選手でも受け入れられる指導方法を独自に編み出したのだと思います。その証拠に日ハムの選手は楽しそうにプレーしています。選手の凡ミスをなくす、という観点から巨人と日ハムの首脳陣を比べると、その差は大きいと言わざるを得ません。私が『秋広選手は可哀想』と言う理由です」(同・広澤氏)

 その秋広だが、ソフトバンクの入団会見で「ホームランバッターに見られがちですけど、自分は率のほうが自信がある」と語った。

 ソフトバンクは今のところ、ホームランバッターの補強が急務というわけではない。こうしたチーム事情が秋広の追い風となるのかどうか──。

ボールが上に飛ぶ打者

 一方、ソフトバンクから巨人にトレードされたリチャードは2軍に降格となった。打率は0割9分5厘と1割に満たず、本塁打は2本に過ぎない。

 だが、それでも広澤克実氏は「リチャード選手が天性のホームランバッターであることは間違いありません」と断言する。

「ボールを真芯で捉えた時、打球が自然に上へ飛ぶ打者と、強いライナーになる打者がいます。前者が天性のホームランバッターです。代表的な選手はヤクルトの山田哲人選手(32)でしょう。決して大きくはない体で昨シーズンまでに299本のホームランを放った最大の理由です。意外かもしれませんが、ドジャースの大谷翔平選手(30)はライナーになる打者です。それでも大谷選手がメジャーで本塁打を量産しているのは彼の恵まれた体型、並外れた努力、そして本塁打を打つための打撃理論を深く理解しているからです」(同・広澤氏)

 つまりリチャードはボールがバットの真芯に当たれば、自然に上へ飛んで行くタイプの打者だということになる。

「リチャード選手は自身の持つ豊かな才能を開花できていません。今回の2軍落ちが彼を発奮させるのか、萎縮させるのかは分かりません。ただ、自分の2軍落ちが全国ニュースになったことには驚いたのではないでしょうか」(同・広澤氏)

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