岡本和真の代役「リチャード」に“2軍落ち”の非情通告…巨人OBが明かす「阿部監督」が電撃トレードに踏み切った“本当の狙い”

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 今年のセ・パ交流戦は6月3日に開幕した。その日、スポーツ報知(電子版)は巨人・阿部慎之助監督(46)の取材記事を配信した(註)。阿部監督はソフトバンクからトレードで獲得した内野手・砂川リチャード(26)に触れ、「ワクワク感みたいなのがある」と期待を表明。彼の打率が「1割切っても2軍に落とそうとは思ってない」と断言した。(全2回の第1回)

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 ところが6月12日に行われた対ソフトバンク戦が引き分けで終わると、阿部監督はリチャードの2軍落ちを即断した。

 なぜ阿部監督は前言を翻したのか。それはリチャードが6回表に無死一塁で打席に立った際、エンドランのサインを見落としてしまったからだ。阿部監督は記者に「打つ、打たないの問題ではない」と話し、凡ミスは許さないという姿勢を明確にした。

 とはいえ、リチャードが極度の打撃不振だったことは紛れもない事実だ。42打数で4安打、打率は0割9分5厘。本塁打2本に打点4、出塁率は1割5分6厘──これでは2軍落ちも致し方ないだろう。担当記者が言う。

「5月12日、当時は巨人に在籍していた秋広優人内野手(22)と大江竜聖投手(26)、そしてソフトバンクだったリチャード選手による2対1のトレードが電撃発表されました。プロ野球ファンから驚きの声が上がる中、最初に注目を集めたのはリチャード選手でした。翌13日の広島戦にスタメンで起用されるとホームランを放ったのです。しかし、その後はバットから快音が響くことは減り、6月3日にセ・パ交流戦が開幕した時点で打率1割台と低迷していました」

巨人ファンの嘆き

 一方、好対照の結果を残しているのがソフトバンクの秋広だ。5月15日に1軍昇格を果たし、交流戦で波に乗った印象だ。

「特に注目を集めたのは6月13日からの対DeNA戦でした。3連戦で毎試合必ず打点をあげる活躍を見せ、3日連続でお立ち台に立って話題を集めたのです。秋広選手の成績は6月19日現在、44打数11安打で打率は2割5分。本塁打1本に4打点で、出塁率は3割4分です。率直に言ってリチャード選手との“明暗”を感じている野球ファンも少なくありません」(同・記者)

 XなどのSNSでは相当数の巨人ファンが「秋広は活躍しており、リチャードは2軍落ち。トレードは失敗だったのではないか」と投稿している。中には阿部監督の責任を問う声も目立つ。

 巨人OBで野球評論家の広澤克実氏は「トレードには全て目的があります。何の目的で巨人が秋広選手を放出したのかを考えることが重要ではないでしょうか」と言う。

「多くのスポーツ紙は『長期離脱する岡本和真選手(28)の穴を埋めるため、巨人はリチャード選手を獲得した』と報じました。しかしリチャード選手が岡本選手の代わりを務めることはできません。『穴を埋める』との報道は、ある種の建前でしょう」

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