ついに逮捕の「詐欺インプラント歯科」院長 「健康な歯まで抜かれて…」被害者が明かす悪質すぎるその手口
「チタン製の人工歯根を使っていたことが発覚」
その後の手術で、4本の人工歯根を埋め込み、仮歯をかぶせるところまで終了。治療を順次進める予定だったが、男性のカルテを見ると、まともな治療は施されていないことが読み取れる。
「通院しても15分ほど、口の中を見るだけ。さらに驚いたことに、何かの拍子で高橋がチタンの調子がどうこうと口にした。さんざん発がん性の不安をあおっていたのに、チタン製の人工歯根が埋め込まれていたのです。問い詰めると、チタンが安定してからジルコニアに入れ替えるとか言いだす始末で……」(男性)
昨年夏以降は連絡もまともに取れなくなったそうで、心配になった男性がTDOを訪ねるも、高橋氏は、
「私の口からは何とも言えません」
そう繰り返すばかりで、年が明けると閉院状態になってしまったというのだ。
「食べ物がロクにかめず、食事の量もめっきり減った」
「お金も戻ってきませんし、治療も中途半端。入れられた仮歯は全然サイズがあっておらず、かみ合わせが悪いのか喋りにくい。食べ物がロクにかめず、ほとんど飲みこむしかない状態でしたので、食事の量もめっきり減りました」(男性)
男性は見切りをつけて、警察に被害を相談。現在は大学病院で治療を継続しているというが、
「2本の人工歯根は全然ダメだと言われました。うち1本は副鼻腔に達するギリギリまで深く入り込み周囲が膿んでいた。現在、その2本を除去するための準備を進めています」(同)
なお、そもそもチタン自体に発がん性は認められないというのが学界の定説である。
後編「“3カ月で歯が抜けた”“4000万円騙し取られた”まだある「インプラント詐欺」歯科の被害告発」では、この男性以外の被害者の証言を交え、悪質すぎる「詐欺インプラント」の手口などについて詳しく報じている。
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