山本由伸“6月失速”の理由 ド軍ローテ窮状のツケが 復調のカギは「95マイル」「30%」の達成か
スプリットの投球割合と好不調が連動!?
そんな山本にとって、フォーシームの球速と同じく、重要なのがスプリットの比率である。開幕直後に比べて、その比率は低下傾向にある。
今季の山本の球種別投球割合を見ると、最も多いのがフォーシームで37.2%。これに次ぐのが26.9%のスプリットである。この2球種だけで全投球の6割以上を占めていることになる。
4球に1球以上の割合でスプリットを投じている今季の山本だが、試合ごとの投球割合を見ると、14試合中5試合で30.0%以上をマーク。一方で、30.0%未満が9試合ある。それぞれの成績を比べると、顕著な違いが生じていた。
スプリットの割合が30.0%以上だった5試合は、すべて5月上旬までの登板で、その成績は、4勝0敗、防御率0.93。やはり中6日で登板していた頃はスプリットの比率も高かった。
前回登板でスプリットの割合が大きく減少
逆に中5日で登板するようになってからは、スプリットの割合が30.0%を超えることがなく、30.0%未満だった9試合の成績は2勝5敗、防御率3.65。前回登板のジャイアンツ戦は今季最低の17.6%まで下がっていた。
あくまでも推測だが、スプリットの割合が低い試合はボールが先行していることが多く、カウントを整えるためのフォーシームやカーブが増えていたのではないか。つまり、好調時はストライクが先行し、追い込むケースが増えることで決め球のスプリットも増えていたということだ。
繰り返しになるが、今季の山本に与えられた役割はシーズンを通してローテーションを守ること。フォーシームの球速アップとスプリットの投球割合もカギになってくるだろう。中5日の登板間隔に慣れながら、フォーシームの球速アップ、さらにストライクを先行させ伝家の宝刀スプリットを投げる場面を増やすことに注力したい。
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