山本由伸“6月失速”の理由 ド軍ローテ窮状のツケが 復調のカギは「95マイル」「30%」の達成か
気になるフォーシームの威力と配球の組み立て
また、5回途中5失点と炎上した14日(日本時間、以下同)のパドレス戦が山本にとって今季14試合目の登板だったが、昨季「右上腕三頭筋」に張りを訴え、2回で降板したロイヤルズ戦がまさにシーズン14試合目であった。
昨季は、その後に3か月近くの戦線離脱を強いられた。山本とすれば、ここからがメジャーでは未知の道のり。今春のキャンプで「1年を通して投げるのが目標というより、最低条件」と話していたが、まさに正念場を迎えるといえるだろう。
そんな山本の投球において、“疲労”の影響もあってか、気になるのがフォーシームの威力と配球の組み立てだ。
MLB公式データサイトの「ベースボール・サバント」によると、今季の山本のフォーシーム平均球速は95.2マイル(約153.2キロ)。これは昨季の95.5マイル(約153.7キロ)からやや落ちているが、誤差の範囲と考えていい。
山本にとって好不調のバロメーターとなるのが、まさにこの「95マイル」である。
中5日の登板間隔も成績下降の一因?
山本のフォーシームの平均球速を試合ごとに出すと、14試合中9試合で「95マイル」以上をマークしていた。逆に「95マイル」未満は、直近の2試合を含めて5試合だけ。5点を許した前回のジャイアンツ戦は今季ワースト2位に並ぶ94.7マイルだった。
フォーシームが平均「95マイル」以上をマークした9試合で、山本は防御率1.78をマークしているが、中6日で登板していた4月末までの6試合もここに含まれる。
対して、中5日の間隔で登板するようになってからは出力も抑えているのか、フォーシームの平均球速がやや低下。平均「95マイル」未満の5試合で、防御率4.23と明らかに打ち込まれる試合が目立つようになっている。
山本の復調を最優先に考えるなら、開幕当初の中6日の間隔に戻すか、一度先発をスキップするなどリフレッシュ期間を設ける案もあるだろう。ただ、今のドジャース先発陣にその余裕はない。何より山本はエースとして、チームからもフル稼働が期待されている身だ。
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