山本由伸“6月失速”の理由 ド軍ローテ窮状のツケが 復調のカギは「95マイル」「30%」の達成か
ナ・リーグ西地区はドジャース、ジャイアンツ、パドレスによる三つ巴の様相を呈している。首位に立っているのは、大谷翔平ら3人の日本人選手が所属するドジャース。日本時間14~16日に行われたジャイアンツとの直接対決3連戦の結果次第で首位から陥落する可能性もあったが、2勝1敗で乗り切り、なんとかその座を死守した。
当面、三強の争いは続きそうだが、シーズン後半に向けてやはりカギとなるのは投手陣。特にドジャースは先発投手陣に故障者が続出し、苦しい台所事情は変わらないまま。かなり時期を早めて投手・大谷翔平が復帰を果たしたが、トミー・ジョン手術明けの選手にそう多くを求められない。ドジャースはいかにしてこの窮地を乗り越えるのか。
【八木遊/スポーツライター】
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山本の月間防御率は悪化の一途
4年連続地区Vとワールドシリーズ連覇を目指すドジャースに不安の芽がまたひとつ生じている。開幕からエースとしてローテーションを支えてきた山本由伸が明らかに調子を落としているのだ。
3月に東京で行われたカブスとの開幕戦で、山本は今季初白星をマーク。その後も、打線の援護が少ない中、エースにふさわしい好投を続け、メッツ・千賀滉大やカブス・今永昇太との“防御率トップ争い”も大きな話題を呼んだ。
山本は5月を終えた時点で1.97と防御率1点台を維持していたが、6月に入ってから3先発中2先発で5回持たずにノックアウト。防御率は2.64まで悪化している。
月間防御率の推移を改めて見ると、3~4月の1.06が5月は3.00に、そして6月はここまで5.65と、悪化の一途をたどっている。
不振の要因の一つとして考えられるのが疲れだ。5月の最初の登板まで、山本は中6日空けてマウンドに上がっていた。ところが、チームの連戦が増えた5月上旬以降は、7試合連続で中5日での登板。その間に100球を超えた登板も2試合あった。暑さや時差、長距離移動などによる疲れがピークに達していてもおかしくないだろう。
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