「レジェンドの父」とは別の道に進んだ「キング・カズ」の息子たちが明暗を分けてしまった理由

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弟に明日はあるのか?

 兄に遅れること2年、格闘家としてデビューした孝太だが、デビュー前には所属しているジムの寮でほかの選手たちと合宿生活を行い、格闘技に打ち込んだ。だが、デビューから1年も経たない22年8月、孝太を浮き足立たせる出来事があった。

「かつてタイで魔裟斗(46)とも激闘を繰り広げた、K-1のレジェンド選手であるブアカーオ(43)から、エキシビションマッチの相手に指名されました。結果、ボコボコにされてTKO負けしましたが、そのイケメンぶりがタイ人女性たちに好かれて現地で一気に人気に火が付いたのですが、これが“間違い”の始まりでした」(格闘技担当記者)

 22年9月に行われたビッグイベント「超RIZIN」では、またも実力差が明らかなタイ人選手相手に関節技を決めて2連勝するも、ここから連敗街道に突入する。いずれも「RIZIN」のリングで23年5月に強打で知られるキックボクサー・YA-MAN(29)にTKO負け。同年おおみそか、K-1時代から人気ファイターで、総合格闘技歴が浅い皇治(36)にサッカーボールキックでTKO負け。昨年のおおみそかは、1分間最強を決める格闘技イベント「BreakingDown」で人気選手となった冨澤大智(27)にヒザ蹴りでKO負け。そして、5月に韓国の地でもマットに沈み4連敗を喫したが、白星から遠ざかっている理由は明らかだという。

「フォロワー数が270万人に迫る彼のインスタグラムには、タイのムエタイジムで練習する画像や動画が投稿されています。ブアカーオとの1戦以来、彼に現地に呼ばれるようになったようですが、いくらムエタイの技術が向上したといっても組技、寝技、寝かされてから起きる技術など、細かい練習はブアカーオとではできません。つまり、地道な練習が必要なのですが、彼は自分がやりたい練習ばかりに熱心。さらに、立ち技も寝技の技術もまだまだのレベルで、気ままな性格もあってか戦略を練っているセコンドの指示通りに動かないそうです」(同前)

 もともと、所属しているジムで練習に励んでいれば、総合格闘家としての成長は大いに期待できたというが、

「インスタグラムにアップされた写真を見ると、練習の写真もありますが、自身の肉体美、リゾート地でくつろぐ様子でのキメ顔写真が目立ちます。まるでインフルエンサーのインスタみたいで、飲み会も大好きだとか。ノリのいいところは父に似ているようですが、本気で格闘家としてやっていくのなら、もっとストイックな生活が求められます」(同)

 それでも、孝太は韓国での試合後の会見にはすっきりした表情で現れ、「負けたのでいっぱい言われると思う」と話しつつ、「格闘技というものは大好きなんであきらめずに。4連敗したんで、4連勝を必ずとります」などと巻き返しを予告したのだが……。

「環境を変えないと無理でしょう。そもそも、RIZINでは“客寄せパンダ”的な扱いでマッチメイクされていましたが、皇治も富澤も勝たないといけない相手でした。ここまで連敗が続くと相手がいません。根本的に格闘技に対する向き合い方を見直して、ほかの団体のリングからやり直すのもありでは」(同)

 一方、獠太は5月27日に都内で行われた初主演映画の完成披露試写会に出席。作品を見て欲しい人物を聞かれると、「祖母が僕の作品は全部見てくれていて。端役でも『主役だったね』って言ってくれます」と笑みを見せた。

 今後、その演技でたっぷり祖母に恩返しすることができそうだ。

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