放出必至? フィリーズ傘下「青柳晃洋」を待ち受けるいばらの道…早くもNPB「後半戦のキーマン」との声も
動き出すNPB球団
不安定さが解消されず、現地では米スポーツ局「Sports Illustrated」、MLB公式サイトなど複数のメディアが「リリースの可能性」を伝えている。
「3Aにも出場選手枠があります。その28人のなかで、投手の占める割合は10人から13人。2Aから若い投手を引き上げなければなりませんし、メジャー昇格の可能性が低い順からカットしていくしかありません。青柳は日本の伝統球団である阪神タイガースの元エースで、24年は開幕投手でした。21、22年は最多勝などの投手タイトルも獲得しており、期待も寄せられていましたが……」(現地記者)
NPBの球団は「青柳の今季後半」に興味を抱いているようだ。先のスイーパー習得を指して、こんな評価も聞かれた。
「23年以降、青柳が不振に陥った背景には、持ち球だったスライダー、シュートにキレがなくなったことも挙げられています。スライダーの進化系であるスイーパーを覚えたのなら、復調にも期待が持てます」(在京球団スタッフ)
青柳はシーズン途中で獲得可能な海外選手リストに入っていたという。それも、マイナー降格を通達された直後から周辺調査が始まっていたそうだ。
「巨人、ヤクルト、外国人投手が先発ローテーションに3人も入っているDeNA、チーム浮上のきっかけが掴めないでいる楽天、ソフトバンク。オリックスはリリーフ投手を5人もトミー・ジョン手術で欠いてしまいました。多くの球団が投手不足で苦しんでいますし、青柳に興味のない球団はないと思います」(前出・同)
フィリーズと契約を結んだのは、1月17日だった。リリースされる可能性が高いとはいえ、メジャーリーグで本領が発揮できずにNPB帰還となった選手は多いが、「僅か半年」となると前例はない。そもそも、青柳はマイナー契約で海を渡っている。当時、日本の伝統球団の元エースとの契約に、フィリーズの地元メディア「CROSSING BROAD」などは、
「(青柳は)日本で9シーズンプレーした。NPBでは3度のオールスター選出経験もあり、特徴的なサイドスローのフォームが持ち味。働き場所も保証されない31歳の挑戦に敬意を表したい」
と歓迎ムードだった。しかし、この「働き場所も保証されない契約」は想像以上に厳しい障害となってしまった。
「同じ24年オフに米球界に挑戦し、同じく開幕前の3月半ばにマイナー行きを通達された日本人投手に小笠原慎之介(27)がいます。彼もメジャー昇格のチャンスを掴んでいませんが、最大の違いは契約内容です。小笠原は2年350万ドル(約5億2500万円)、青柳はマイナー契約でのキャンプ招待選手なので、その間のギャランティーは1日30ドル程度(約4500円)だったと聞いています。キャンプ招待選手が日払いになるのは珍しい話ではありません。問題は、契約期間が1年だったことです」(前出・米国人ライター)
メジャーリーグでの単年契約には「いつでもクビに出来る」との意味も含まれている。
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