70歳までの「定年延長」案も浮上し…「白鵬」退職で「八角理事長」一強体制が盤石に 就任10年、次期理事長選にも出馬か
対抗馬不在
より盤石となった八角体制。来年には理事長選挙がある。現状、理事長はまだ態度を明確にしていないが、6期目出馬→当選の可能性は十分あると見られている。
相撲協会の理事長は1974年に就任した第5代春日野理事長(元横綱・栃錦)から、13代目の八角理事長までいずれも現役時代、横綱・大関の地位にいた親方が就任している。歴代の中でも、横綱・大関出身者以外の理事長は初代の廣瀬正徳・陸軍中将と4代目の武蔵川親方(元前頭筆頭・出羽ノ花)のみ。横綱・大関経験者から選ばれるのが“暗黙のルール”となっている。しかし、現・八角執行部では、有力ポストの事業部長には春日野親方(元関脇・栃乃和歌)、巡業部長には境川親方(元小結・両国)、広報部長は佐渡ヶ嶽親方(元関脇・琴ノ若)が就くなど、両経験者は1人もない。
今月22日に62歳を迎える八角理事長より年下の横綱経験者で協会に残るのは、武蔵川親方(元武蔵丸)、音羽山親方(元鶴竜)、二所ノ関親方(元稀勢の里)、伊勢ヶ濱親方(元照ノ富士)の4名。いずれも外国出身力士だったり、20歳以上年下だったりと、現状では八角理事長の対抗馬にはなりえない。協会に残っていれば有力候補だった、元貴乃花、元若乃花らはおらず、曙、朝青龍、白鵬、日馬富士といった力士も協会を去っている。
元大関に目を転じても、
「常識派と言われる藤島親方(元大関・武双山)、今回、宮城野部屋の不祥事の後始末に奔走した浅香山親方(元大関・魁皇)など協会の顔となるべき人材はいますが、現状、衆目の一致する理事長候補とまではなっていない」(協会関係者)。
八角理事長と同世代の芝田山親方(元横綱・大乃国)は、広報部長や事業部長を歴任し、体制を支えてきた。本来ならば有力候補ではあったが、
「芝田山さんは、協会職員によるパワハラや残業代の未払いなどが発覚したことについて、八角理事長の“責任問題”を追及する動きを見せた。するとその後、執行部から外されたばかりか、“閑職”とされる教習所所長に格下げとなりました。“物言い”は今の八角執行部には言えない――そんな空気が広がっています」(同)
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