70歳までの「定年延長」案も浮上し…「白鵬」退職で「八角理事長」一強体制が盤石に 就任10年、次期理事長選にも出馬か

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北の湖理事長の急死

 その協会の頂点に、10年も君臨し続けるのが、八角理事長だ。

 八角理事長が就任したのは、2015年12月のこと。北の湖理事長の急死を受けてのことだった。

「当時は北の湖さんが勇退した後、その後任には協会ナンバー3だった貴乃花親方が就くと見られていました。ナンバー2の事業部長だった八角親方がなるにしても、短期政権になる、と。北の湖さんは貴乃花親方の父、元大関貴ノ花とはライバルで盟友関係にありましたし、貴乃花親方自身、北の湖さんのバックにいた協会の顧問と非常に親しい関係にありましたから」(古参の相撲記者)

 しかし、北の湖親方が急死。そしてピンチヒッターとして、八角親方が理事長代行職に就く。

「八角親方は、顧問と親しい貴乃花親方を絶対に理事長職には付けたくなかった。そこで、北の湖さんの死去後わずか1カ月で理事長に就任。その4カ月後には理事長選が行われる予定だったため、拙速な就任には、貴乃花一派から大きな疑義が出ました。そして翌年の理事長選では貴乃花親方が対抗馬として出馬しますが、八角理事長に敗れる。その後、協会は顧問を解雇し、貴乃花親方は窮地に。そして、2017年の貴ノ岩暴行事件とその後の対応を巡って処分されたことをきっかけに、親方は協会を去ることになったのです」(同)

白鵬イジメ

 うるさ型の元貴乃花がいなくなった後、唯一八角体制に対抗しうる存在と目されていたのが元白鵬。圧倒的な実績と資金力を背景に、時に協会の意に添わぬ言動もあり、現役時代から度々処分を受けてきた。そして2021年の引退後、宮城野部屋を継承したものの、弟子である北青鵬の不祥事をきっかけに、部屋が閉鎖の処分を受ける。過去、同様の不祥事を起こした親方と比較して異例の厳しい措置に、「白鵬イジメ」との声も上がった。

「うるさい白鵬を追放するための処分とも囁かれました」(前出・相撲記者)

 そして今回の退職劇。協会にとっては、自らに刃が向かわない形で白鵬がいなくなった。上出来の結果と言えるだろう。

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