「天覧試合でサヨナラ本塁打を打ったバットも」 長嶋茂雄さんの葬儀で飾られたお宝の数々 グッズを管理する財団設立の背景に「大量売却で四散の過去も」
【前後編の後編/前編からの続き】
不世出のスーパースターを失った世間は、なおも失意のただ中にある。6月3日に他界した長嶋茂雄さん(享年89)の葬儀が執り行われ、戦友たちが最後のお別れに臨んだ。一方、野球人としての功績は言うに及ばず、将来を見据えた故人は、少なからぬ“資産”を遺していた。
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【写真を見る】土地だけで7億円! 田園調布に立つ長嶋さんの大邸宅
前編【「田園調布の自宅は土地だけで7億円」 長嶋茂雄さんの膨大な遺産と終活 前住居では「嫌いな人の顔写真を貼って、フルスイング」】では、長嶋さんが遺した数々の不動産について、詳しく報じた。
東京・桐ヶ谷斎場での葬儀は、ミスターの唯一無二の“お宝”で溢れていたという。
「式場には現役時代のユニフォームやグラブ、V9達成時のペナントや1958年新人王のトロフィーなどが展示され、また祭壇には59年の天覧試合でサヨナラ本塁打を放った時のバットや2013年の国民栄誉賞受賞で贈られた金のバットも飾られていました」(スポーツ紙デスク)
その一方で一昨年5月、ミスターが人知れず財団を設立していたことはすでに本誌(「週刊新潮」)で報じている。「長嶋茂雄一般財団法人」なるもので、自身が代表理事に就任。設立の目的は、
〈児童、若者に対して野球を主体に広くスポーツ全般への競技の普及、振興を目指し〉
などとうたわれており、実際に昨年6月には、能登半島地震に心を痛めたミスターが、石川県の球児を勇気づけるため、県高野連加盟の50校に金属バットを3本ずつ寄贈している。
「貴重な物品が散逸するのを防ぐため」
「財団法人は、相続税対策としても効果的です」
そう解説するのは、税理士の浦野広明氏である。
「通常、非営利の公益財団法人に財産を遺贈すると一定条件の下非課税となり、長嶋さんのような一般財団法人でも、活動実態が非営利だと認められれば同様に扱われます。つまり、遺族にとっては相続財産が減ることになる。財団は、長嶋さんが04年に倒れてから設立されたとのことなので、ご自身なりの“終活”だったのではないでしょうか」
さらには、こう指摘するのだ。
「一般財団法人には貸借対照表や損益計算書などの作成が義務付けられており、仮に長嶋さんが所有していた記念品が遺贈されたら、それらは品目や価格をリストアップした上、資産管理されます。従って、貴重な物品が散逸するのを防ぐといった目的の下に設立されたとも考えられるのです」
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