【セ・パ交流戦】若き日の「大谷翔平」が強制降板させられた試合も…普段とは違うチーム同士の対戦で起きた珍しいハプニング特集
連日熱戦が繰り広げられているセ・パ交流戦。リーグの異なるチーム同士の対決とあって、ふだんは見られない珍事や珍プレーも少なくない。過去の交流戦で本当にあったまさかの出来事を振り返る。【久保田龍雄/ライター】
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マウンドの渡辺が走者のいない三塁に送球
「ベース踏み忘れ」といえば、長嶋茂雄氏の現役時代の珍プレーを思い出すファンも多いはずだが、交流戦でも2006年6月11日のロッテ対巨人で、同様のベース踏み忘れ事件が起きている。
1対1の3回2死一塁、巨人は4番・李承燁が、渡辺俊介のスライダーが真ん中寄りに入るところを見逃さず、フルスイング。打球は右中間に突き刺さる勝ち越し2ランとなった。
李はポーカーフェイスでダイヤモンドを1周し、歓喜のナインの出迎えを受けた。3対1とリードした巨人は、すっかりイケイケムードで次打者・斉藤宜之が打席に入ったが、直後、マウンドの渡辺が走者のいない三塁に送球する。
誰もが一瞬「ん?」と目を白黒させた直後、ボールがサード・今江敏晃のグラブに入るのを見届けた西本欣司・三塁塁審がアウトを宣告した。
実は一塁走者の小関竜也が三塁ベースを踏んでいないと判断されたのだ。
「踏んでいない。それしか言えない」
間近で見ていた今江は、
「自分の中で確信があった。小関さんはベースをまたいだ感じで（ベースを走り抜け）、1度振り返った。振り向かなくてもアピールするつもりだったけど、（渡辺）俊介さんが（アピールを忘れて次打者・斉藤に）投げようとしていたので、バカ野郎と思った。投げたら終わりなので、止まってくれて良かった」
と証言した。
また、西本塁審は「踏んでいない。それしか言えない。今江選手もしっかり見ているような感じだった。アピールプレーです」と説明した。
これに対し、小関は「いちいち意識してやってない。踏んでいなかったら違和感がある。こっちが聞きたいよ」と反論し、原辰徳監督も必死に抗議したが、判定は覆らず、スリーアウトチェンジ。小関には走塁死、李には安打が記録され、まさかの無得点で終わった。
この“幻の2点”が祟り、巨人は2対3で無念の敗戦。その後、球団側が小関の右かかとが三塁ベースを踏んでいたとして、証拠映像のDVDを添えて連盟に抗議文を提出したが、豊蔵一セ・リーグ会長は「リプレー検証による判定を取り入れていない」という理由で却下した。
もし、リプレー検証導入後の現在だったら、はたしてどんな結論になっていたか、興味は尽きない。
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