国内では社会現象、海外では大コケの屈辱…「VIVANT」続編にかかる期待と不安要素

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海外で分かりにくかった設定

 海外ドラマに詳しいキー局関係者が指摘する。

「台湾のNetflixTOP10が最初の1週でズッコケてしまったことから考えると、第1話の冒頭に理由がありそうです。砂漠をさまよう乃木(堺)のせりふから二重人格であることが描かれましたが、その設定が非常に分かりにくい。

 また、激しいカーアクションで幕開けしたものの、回が進むごとに先細りになりCGもショボかったこと、バルカ共和国の描き方も旧満州のようで戦時中の日本軍を想起させてしまったことが特にアジア諸国で失敗した理由でしょう。日本礼賛が過ぎるストーリーもグローバーリズムが支配するNetflixには向かないと思いましたね」

 このほかにも海外市場での失敗について、識者からさまざまな分析が出ている。主なものは「テロ組織の首魁が福祉に取り組む善人だったなどというのは海外ではありえない」「ロマンス要素の貧弱さが惜しい。キスを連発する韓国ドラマのように、堺雅人と二階堂ふみの突っ込んだラブシーンがほしかった」など。

 そんな声があるにせよ、「VIVANT」が日本のドラマ史に残した足跡はあまりに大きく視聴者の期待は高まるばかり。果たして続編はどうなるのか。

「近年、TBS局内では『海外で通用する作品を作れ!』と大号令がかかっています。韓国の大手グローバルエンタメ企業集団であるCJENMとの共同制作協定もその一環です。同社はカンヌ国際映画祭最高賞パルムドール受賞、米アカデミー賞受賞の映画『パラサイト』やNetflixの人気作品『トッケビ』『キム秘書はいったい、なぜ?』『愛の不時着』など多くの実績を残しています。そのためTBSはそのノウハウを吸収しようと積極的です。

『VIVANT』のストーリーや連続性を考慮するとCJとの協業は難しいかもしれません。ただ、『パラサイト』のVFXを手掛けた韓国デクスター社が、CGを担当して『VIVANT』の映像を補完するなどのコラボは考えられます。実際、同社は『幽☆遊☆白書』など日本の作品に参加した実績があります」

 続編はベキの生存、テロ組織・テントの解体、丸菱商事と新たな黒幕の存在、乃木と薫の恋の行方など見どころはふんだん。1話1億円ともいわれる膨大な予算をつぎ込んで制作された「VIVANT」。今回はそれを上回る予算が噂されている。今度こそ海外で成功するのだろうか。

デイリー新潮編集部

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