「もう一度、親方をやらせてあげたかった」 デーブ・スペクター氏が見た「白鵬騒動」 相撲の五輪競技入りは「難しいかも」

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 日本相撲協会を退職した元横綱で前宮城野親方の白鵬翔氏(40)が6月9日、都内のホテルで会見を開いた。いずれも史上最多となる幕内優勝45回、そのうち全勝優勝16回、横綱在位84場所、幕内通算1093勝、大相撲通算1187勝はギネス記録に登録された。そんなモンゴル出身(2019年に帰化)の大横綱が唐突に協会を離れたのだ。これをアメリカ人はどう見たか――。“自称外人”ことアメリカのテレビプロデューサー、デーブ・スペクター氏に聞いた。

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「相撲に愛され、相撲を愛した25年だった」と白鵬氏は振り返った。だが、昨年2月に発覚した弟子の北青鵬による他の力士への暴力問題で監督責任を問われ、2階級降格と報酬減額、継承した宮城野部屋も“当面閉鎖”という懲戒処分が下された。弟子と共に伊勢ヶ濱部屋の預かりとなっていたが、1年が過ぎても部屋の再開は叶わなかった。これについて白鵬氏は、会見でこう語っていた。

白鵬氏:4月で部屋の閉鎖から丸1年がたちましたが、(部屋の再開が)いつということが示されず延びたことが、今回の退職の理由としては大きいと思っております。去年から一門でいろいろな案が出ましたし、弟子たちは大島部屋に、(親方である)元旭天鵬さんのところに行きたいという思いはありましたが、「同じモンゴル出身だからダメだ」という声があった。「大島部屋でなければ他の部屋には行きたくない」という弟子がいまして、9人が引退した原因であります。

 デーブ氏は言う。

「これは外国人の締め出しですよ。日本相撲協会にひとこと言いたいのは“ちゃんこしろ!”ってこと……。相撲協会は昔から排他的なところですが、実は日本人親方の下での不祥事のほうが圧倒的に多いんです。同じような暴力事件があっても処罰されていない部屋もありましたから、協会に対して“何を偉そうに!”と思っている人も少なくないと思います」

 2007年に暴行死事件を起こした時津風部屋では、さすがに親方らが解雇されたものの部屋の閉鎖はなかった。昨年9月、未成年者の飲酒が報じられた二所ノ関部屋の二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)には厳重注意のみである。

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