東野幸治が見取り図に語った「芸人の天下取り」論とは 「アメトーーク!」に出るな
放送されないコント番組
でも、最近ではこの方程式が崩れてきている。そもそもコント番組は数字が取れないと言われていて、なかなか放送されることがない。コント番組はお金も手間もかかるため、レギュラーでそれをやるのは割に合わないということになっている。
そんな中で本気で「天下」を目指すのなら、独自の道を行く覚悟が必要だ。どんな番組でも呼ばれれば喜んで行く、というような姿勢であってはいけない、というのは納得できる。出演本数だけを重ねても、天下を取っていると言えるだけの「格」は身につかないからだ。
翌週の6月1日深夜の放送回では、先週の続きとして東野が3箇条のうちの残りの2つを挙げていた。2つ目は「自分たちの責任にするな」ということ。自分たちのレギュラー番組が終わっても責任を感じることはない。テレビは作り手のものなので、自分には関係ないと思っているぐらいの方がいい、ということだ。
3つ目は「この企画はやるな」。先輩を呼んで天下取りのためのアドバイスをもらうという企画をやること自体が、先輩に頭を下げていることになり、その姿勢では「天下」から遠ざかってしまう。これも1つ目の教えと同じで、自分たちのブランド価値を保つことを意識しなければいけないということだ。
現代のテレビバラエティの世界では、出演する芸人に対して「周りと同じでなければいけない」という同調圧力がかかる。本気で天下を目指すなら、それをはねのけて自分たちのやり方を貫いて、その上で圧倒的な結果を出さなければいけない。
バラエティ番組の企画に過ぎないとはいえ、多分に本音も含まれていたと思われる東野の語る天下論は、問答無用の説得力を持っていて、見取り図の2人の心にも刺さっていたようだった。
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