飲み会で烏龍茶を頼むなら「水飲みぃや」の時代遅れ感…“呑兵衛のネット編集者”が語る「大酒飲みの方が多く払うくらいの配慮を」

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割勘負け

 お笑いコンビ・クワバタオハラのくわばたりえ(49)が5月24日に放送されたバラエティ番組「おかべろ」(カンテレ)に、節約にこだわる芸能人として出演。飲み放題ではない飲み会で烏龍茶を飲む人が「ちょっと嫌になる気持ち、分かりません?」と問題提起。そのうえで、生チューハイが480円で、烏龍茶が380円の場合を想定し、「水飲みぃや(水を飲みましょうよ)」と述べた。さらには酒類を飲む人のペースに合わせて烏龍茶を飲む必要はないとして、水で事足りると語った。

 いわゆる「割勘負け」をしたくない人にチクリと釘を刺した形だが、飲み放題の場合は全員が飲み放題にする原則のため、アルコールを飲まない人はそもそも「割勘負け」をすでにしているのである。飲み放題でない場合にしても、「烏龍茶と水は大して変わりない」という考え方は「全体の金額を下げるために下戸は無料の水を頼むべき」という自分が得したいだけの発想だ。さらに、橋本和花子アナがくわばたの意見に理解を示し、ジンジャエールならば許せるが、烏龍茶を頼むなら水でいい、と語りくわばたも同意した。

 これをめぐってネット上では飲み会における割勘・呑兵衛vs下戸といった話に加え、飲み会の存在意義についてまで議論百出。呑兵衛である筆者もこの意見には「さすがにないだろう」という感想を持った。

何を飲もうが人の勝手

 今の時代、この手の風潮はだいぶ薄まったものの、ほんの少し前まで、下戸はかなり見下される存在だった。
「男のくせに酒が飲めないとはなにごとだ」「乾杯が遅くなるから取り敢えずビールを頼むからお前も飲め」「オレの酒が飲めないのか」「酒が飲めない人が飲み会にいると盛り下がるんだよ」

 こんな論調がまかり通り、体質的・健康面で酒を飲めない人が肩身の狭い思いをしたものである。昨今この風潮は減退し、ソフトドリンクを頼む人はそのままでいいし、「とりあえずビール」ではなく、「ビール以外の人~!」というファーストドリンクのオーダーの掛け声も定着した感がある。

 酒を飲めない人はかくも迫害されてきたわけで現在は改善されているが、まさかの2025年になってくわばたのこの発言である。これは一般の飲み会でも言うべきではない発言だし、「あなたはそう考えていたのね……」と落胆ないしは軽蔑されるため、心の中で思っても口に出して言ってはいけないのだ。

 まず、「烏龍茶ではなく水を飲め」についてだが、何を飲もうがその人の勝手ではないか。比較的値段の高いビールを頼む人が「同じ酒だから100円安いウーロンハイかハイボールにすべきだ」なんて言われたら反発したくなるだろう。「いや、私はビールが好きなのだ」と。

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