「酔って転んだ」が「居酒屋で亡くなった」ことに…田舎で生きる上で「悪口を言わない」ことが極めて大事な理由とは
亡くなったって聞きました
宴会場で待つ間も左腕はまったく動かず、激痛が走る。救急隊員がすぐにやってきてストレッチャーで私を外に運び出し、商店街を通って救急車へ。上腕がキレイに斜めに折れており、全治3ヶ月の重傷という診断だったが、私は数日後に入院し、7泊で退院した。そして骨折から2週間後、街を歩いていたら知り合いの電気屋の主人が私を見て目を丸くして仰天している。
「えっ? 生きてたんですか! 亡くなったって聞いてました!」
なんと、ストレッチャーで運ばれたことを受け、私が居酒屋で死んだということに話が発展していたのだ。恐らく誰も「飲み屋で転んで骨折した」という間抜けな話を想像しなかったのだろう。救急車で運ばれる場合は心筋梗塞や脳卒中といった死に繋がる重篤な病気だという思い込みもあったはずだ。そしてしばらく姿を見せなかったからいつしか死亡説になってしまったのである。
悪口の話から地方の「壁に耳あり障子に目あり」状態について述べたが、今後移住する人や、出張でその地を訪れる人はこのような状態が日常であることを覚えておいた方がいい。振る舞いを間違えると「今回都会から来たあの人、都会風吹かせて私たちを馬鹿にしていて感じが悪い」などとすぐにその悪評が広がってしまうことだろう。
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