ついに“金1グラム”が「1万7000円」突破! 「記念金貨」高騰の一方でニセモノが激増…「3Dプリンター」で精巧に偽造されるケースも

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現物資産に注目が高まる

 10万円金貨は言うに及ばず、明治~昭和初期に発行されたいわゆる近代金貨や、海外の歴史的な金貨も取引価格が上昇している。これは、富裕層の間で現物資産に対する関心が高まっているためだ。高級腕時計、ポケモンカード、ソフビやブリキ玩具、現代アートなどが高騰しているが、古銭、すなわちアンティークコインはコレクションの王道であり、不動の人気アイテムである。竹内氏がこう話す。

「人気のあるコインの条件は、状態がいいこと、流通枚数が少ないこと、そしてデザインが優れていることなどが挙げられます。これらを兼ね備えている金貨はコレクターだけでなく富裕層の関心が高まっており、オークションでは高額落札が相次いでいます。コインは場所もとらず、保管もしやすい。手軽に持ち運べる資産として人気が高まっています」

 そんなアンティークコインもまた偽物が増えており、コレクターを悩ませている。特に多いのが、明治~昭和初期に発行された金貨や銀貨である。温床になっているのがネットオークションやフリマサイトで、引っかかってしまう人が続出しているという。その品質は極めてチープであり、専門家であればひと目で偽物とわかるほど稚拙なものだ。しかし、初心者はわからないだろうし、何よりも売り方が実に巧妙なのである。

購入者を騙す悪徳業者の手口

 ネットオークションには、偽物の金貨ばかりを出品している業者が存在する。ユーザ名が、あたかも実在するコイン専門店であるかのような名前になっている。品物はある程度コインに詳しくなればすぐにわかるような稚拙な作りだが、騙すための細工がなされているのだ。コイン店で販売しているコインホルダーにしっかりと入っていて、周囲には“¥80,000”などと金額が記されている。

 よく見ると、コインホルダーにはこの品物が“玩具”であり“鍍金”であると書かれている。鍍金とは“メッキ”のことである。堂々とメッキと書いていても、漢字にされるとわかりにくく、ついつい買ってしまうというわけだ。つまり、偽物を売る業者は、しっかり画像で説明しているのだから、あとは自己責任というスタンスなのである。

 後から「偽物じゃないか!」と指摘されても、「商品にそう書いてありますが…」といくらでも言い逃れができる。実に狡賢く、巧妙なテクニックである。現在、こうしたうっかり者を狙った偽物が相次いで出品されているが、取り締まりはほとんど行われておらず、無法地帯になっている。

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