「半日以上、両親の遺体のそばで…」 大阪池田市・夫婦死亡事件、残された女児にも刺し傷が 知人は涙ながらに「娘さんに愛情を注いでいた事実は、間違いなく存在」

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「“いつかこんなことになるのでは”と……」

 府警詰め記者が続ける。

「両親の死亡推定時刻は、父親が通報前日の19日午後、母親が17日の午後です。女児は母親が亡くなった後のおよそ2日半、両親ともに息絶えてからは少なくとも半日から丸1日、一人で過ごしていたわけです」

 思えばその“予兆”はあった、と父親の知人が重い口を開く。

「いつかこんなことになるのでは、と心配していたんです。あくまで旦那いわくですけど、夫婦げんかが絶えず、奥さんが激高して包丁を持ち出したなどとも聞きました。けんかの原因は、自身が定職に就かず、介護福祉士の奥さんの収入で家族三人の生活を支えている状況。ただし旦那側としても、どうにもならん理由があったらしい」

 それは、数年前からうつ気味になり仕事が長続きしないという話で、

「旦那は高校を出てから長らく、彼の父が経営するコンビニを手伝ってました。それから介護関係の仕事を見つけて、働いていた施設で奥さんと出会ったのです。で、5~6年前、結婚か出産を機にいまの集合住宅に入った。そのころ、精神的に不安定になり施設を辞め、アルバイトをするようになったと聞きました」

「スクーターに娘さんが好きなキャラのシールを貼っていた」

 この知人とは別の、父親の知り合いが明かす。

「コンビニ経営を辞めた親父さんは隣接する市のマンションにいてはるのに疎遠になっていた。お姉さんとも断絶状態でした。要するに、あいつは家庭の問題を相談する相手がいなかったんです。だからといって、今回の行為は許されるものではありません」

 でも、と涙を浮かべつつ訴える。

「奥さんが娘さんの手を引いて近所のたこ焼き屋で買い物をする姿を何度も見かけましたし、親子三人でボール遊びや自転車に乗る練習をしていたこともあった。あいつは自分が乗り回していた赤いスクーターに、娘さんが好きなサンリオキャラクターのシールを貼ったりもしていました。傍目には幸せそうな親子三人だと見えていたでしょう。彼ら夫婦が娘さんに愛情を注いだ事実は、間違いなく存在しました」

 とはいえ、5歳ともなれば、店に駆け込むまでの数日間の光景も心に深く刻まれたに違いない。その傷が癒える日は来るのだろうか。

週刊新潮 2025年6月5日号掲載

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