最新作も大ヒット!「トム・クルーズ」が大の“親日家”になった意外な理由…小雨の中、飲食店から出てきたサラリーマンを見て
親日家になったきっかけは?
さらに「オール・ユー・ニード・イズ・キル」(14年)のジャパンプレミアでは大阪、福岡、東京の3都市を半日で回るハードワークをこなした。同作の原作は04年に発表された桜坂洋さん原作のライトノベルだ。トムは当時、こう語っている。
「製作期間にかかった3年間、ずっと日本の小説だから、日本で見せることを考えていた」そして、「僕と日本はつながっている。だから、この映画を作れたことに興奮しているんだ。(撮影が)本当に楽しかった」
ここまで親日家になった理由として、あるインタビューでトムが明かしているのは、90年代の何度目かの来日の際、時差ボケに苦しみ、真夜中にこっそりホテルを抜け出して、小雨が降る中、街を歩いたという。
「その際、サラリーマンが飲食店から出てくるのを見て、『自分とシンクロするような、不思議な気持ちになった』のだとか。このことがきっかけで、より深く日本人の気質に興味を持つようになり、映画『ラストサムライ』の製作で色々と学ぶうちに、さらに理解を深めたと語っています。男女を問わず、日本のファンがトムのことを愛しているのも大きな理由です。今作もそうですが、アクション俳優として、どの作品でもスタントなしで体を張った演技を披露しているのが人気の要因でしょう」(先の映画業界関係者)
親日家のトムの希望もあり、これまで何作か、ハリウッドで開催されるワールドプレミアに日本のメディアを招いている。その際の取材で、以下の2つのエピソードが映画界で語り継がれているという。
「05年度、トムはアカデミー賞授賞式の前夜に『最低』の映画を選んで表彰する『ゴールデンラズベリー賞』の最低男優賞に『宇宙戦争』でノミネートされていました。『M:I-3』(06年)の現地取材の際、日本の記者がそのことを聞こうとしたところ、関係者は難色を示したそうです。しかし、記者は質問しました。トムが“日本の母”と呼び、長年、通訳を務めた戸田奈津子さんも訳しながら気色ばんだといいます。しかし、トムは、『あまりうれしいことではないけど、もらえるものならありがたい』と回答。現場にいた記者たちは、『さすが、大物は違う!』と感動していたそうです」
さらにトムといえば、長年、哲学的な宗教団体「サイエントロジー」を信仰していることでも知られている。
「愛する日本のメディアにも自身の信仰を理解してほしかったのでしょう。『宇宙戦争』での記者たちのインタビュー前、米・ロサンゼルスにある本部に記者たちが招待され、あれこれ説明を受けたそうです。もちろん、撮影・録音が一切禁止で、『ここで知り得たことは口外しない』とサインさせられたのだとか」(先のベテラン記者)
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