「個人への寄贈と言い張るのは難しい」 支援者から超高級スーツを送られた石破首相に専門家から疑念の声

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「個人への寄贈と言い張るのは難しい」

 果たして、「切り札」の特製スーツで難局を乗り切れるのか見物といったところだが、気になるのは政治家が1着数十万円は下らないスーツを有権者からもらってもいいのかということだ。

 スーツを贈った、浅草の老舗そば屋「十和田」の名物女将・冨永照子さん(88)は、

「こっちがプレゼントするのは違法じゃないでしょ」

 と言うが、神戸学院大学の上脇博之教授は、

「政治資金規正法では、個人から政治家個人への物品の寄付は年間150万円までと上限が定められています。一方で、非営利団体など『その他の団体』からの政治家個人への寄付は、物品・金銭ともに禁じられています」

 と、「おかみさん会」からの寄付に疑問を呈する。

「また例えば、畑で取れた大根なら政治家は私的な個人への寄贈だったと言い張ることもできます。ところが、スーツなど政治活動に使用できる物品の場合、私的な個人への寄贈と言い張るのは難しいと思います」(同)

石破事務所の回答は

 以上について石破事務所に尋ねると、

「お問い合わせのスーツにつきましては、寄贈されたものではありません」

 女将さんたちの好意を無にするような回答ではないか。商品券を新人議員にバラまく余裕があるくらいなら、まずは自分のお金で身なりを整えたほうがよいのでは……。

 前編【「石破さんのスーツがあまりにもヨレヨレで…」 見かねた支援者が超高級スーツを贈呈 製作したのは「田中角栄のスーツを仕立てた職人」】では、石破首相のスーツがだらしなく見える理由と、支援者たちが超高級スーツを贈呈するに至った経緯を、実際に製作を担当した職人への取材を交えて紹介している。

週刊新潮 2025年5月29日号掲載

特集「だらしない石破首相のイメチェン作戦 日米関税交渉の切り札は『超高級フルオーダースーツ』」より

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