「石破さんのスーツがあまりにもヨレヨレで…」 見かねた支援者が超高級スーツを贈呈 製作したのは「田中角栄のスーツを仕立てた職人」
「ストックの中で一番高価な英国製ウール生地を」
「昨年末、ある人を通じて冨永さんから“石破首相のスーツを作ってほしい”と依頼があった時は大変驚きました。私は職人時代、田中角栄さんも担当したことがあります。石破さんは角栄さんの秘蔵っ子のような方なので縁を感じましてね。引き受けるしかないと思いました」
とは、浅利氏ご本人。
「2月の訪米に間に合わせるには生地を取り寄せる時間はなかったので、ストックの中で一番高価な英国製ウールの生地をセレクトしました。濃紺で一見、無地のようですが、若干光沢のあるものです」(同)
だが、製作は思わぬ理由で難航した。オーダーメイドゆえ採寸が必要だが、その日程がなかなか決まらなかったのだ。
「首相はお忙しいでしょうしね。採寸の日にちも決まらず、やきもきしました。冨永さんに相談すると“テレビで見たら、寸法が分かるでしょう”と。それで、国会中継や豊昇龍に優勝トロフィーを贈呈するニュース映像で大まかに体のサイズを把握しまして。じっくり採寸している時間はなさそうだったので、仮縫いのサンプルをいくつか用意しておいたのです」
「“角栄さんのスーツを作った”と伝えると……」
結局、浅利氏が衆議院第二議員会館の事務所で石破首相と面談できたのは訪米の1週間前、1月30日の19時過ぎのことだった。
「事務所で、採寸に充てられた時間は15分程度。仮縫いのサンプルを着てもらい採寸したのですが、実際の石破さんは身長も高かったし、ウエストも大きかった。私が“角栄さんのスーツを作ったことがあるんです”と申し上げたら、ニコッとされたのが印象的でした」
縫製は“突貫工事”で行われたという。
「翌31日の午後から作業を始めました。1日15時間ほど稼働して、2月4日に完成させたのです。内ポケットにもこだわって、ネーム刺繍入れは相撲協会や歌舞伎座などを担当している著名な職人さんにお願いしました。4日夕方に首相官邸まで、冨永さんらと出来上がったばかりの品物をお持ちしたのですが、ご本人にはお会いできず、秘書さんにお渡ししました」
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